Web3があるなら、Web1とWeb2もあるはずだ。幸い、この2つはWeb3よりもずっと説明しやすい。
Web1は、いわばインターネットの最初のバージョンだ。「読む」インターネットとも言われ、時期的には1990年代から2000年代初頭を指す。情報を見たり、(低速で)ダウンロードしたりすることはできるが、それ以外にはほとんど何もできない静的なウェブページの集合体だ。当時のインターネットは雑誌、新聞、ニュースレターといった既存のメディアを模倣し、その電子版を作ろうとしていた。
Web3 explained in 1 image
— Blockworks (@Blockworks_) April 20, 2022
Via @haltakov pic.twitter.com/cNO6XTqShm
Web2は、2000年代中頃に始まった「読み書き可能」なインターネットだ。情報のダウンロードだけでなく、アップロードもできる。アップロードとは、Facebookに記事や写真を投稿したり、YouTubeで動画を公開したりといったことを指す。端的に言うと、Web2はインターネットが既存メディアのコンピューター版から独自の存在へと進化した、ソーシャルメディアの時代と言うことができる。しかし、インターネットを支配するプラットフォームが台頭するにつれて、この時代も新たな段階に移っていく。
シリコンバレーの有名ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzのパートナー、Chris Dixon氏は2021年秋に次のように書いた。「われわれは今、web3の誕生に立ち会っている。これはweb1の分散されたコミュニティ統治型の精神と、web2の高度でモダンな機能性を併せ持つ時代だ」
ある。FacebookやYouTubeのようなプラットフォームは、技術が進化してデータのアップロードやクラウドストレージが可能になったことから生まれた。これと同じように、ブロックチェーン技術の表看板がメタバースだと考える人は多い。Facebookが10月にMetaに社名を変更したことは、同社がWeb2の企業からWeb3に主軸を置く企業へ移行しつつあることを示している。
「Decentraland」や「Sandbox」といったメタバースはWeb3の精神を体現している。これらのメタバースは、一定量の仮想の土地からなる仮想世界だ。自分の購入した土地では何でも好きなことができる。ゲームを作ってもいいし、店やファッション地区を作ったり、広告枠を売ったりしてもいい。家を建てることも可能だ(例えばスヌープ・ドッグはSandboxに豪邸を構え、パーティーやコンサートを開催している)。
メタバースの土地はすでに大金で取引されている。その額は数千ドルから数百万ドルまでさまざまだ。メタバースでは、あらゆるものがユーザーによって所有される。例えば、Sandboxで作ったアイテムをNFTとして所有し、仮想通貨で販売することも可能だ。ゲームやサービスを有料で提供することもできる。何よりも重要なのは、自分が所有する空間ではユーザー自身が何をするかを決められることだ。
これに対して、「Second Life」や「フォートナイト」といった中央集権型のメタバースでは、メタバースの運営元が仮想世界の外観やそこに住む人を完全にコントロールしている。Metaが開発しているメタバースが、どのくらい中央集権的な場所になるかはまだ分かっておらず、さまざまな憶測が飛び交っている。
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