欧州連合(EU)は現地時間4月23日、ソーシャルメディアサイトやデジタルプラットフォームから悪影響を排除することを目的とした、主要法案の基本事項について合意した。
「デジタルサービス法」(Digital Services Act:DSA)には、Facebook、Google、Twitterなどの大手サービスがそれぞれのプラットフォームで偽情報の拡散を取り締まることや、アルゴリズムがユーザーにどのようにコンテンツを推奨するかを明らかにすることなどが盛り込まれている。また、子ども向けや、ユーザーの民族性や性的指向に合わせて作成されたターゲティング広告など、プラットフォームで特定の種類の広告を禁止する。
欧州委員会のMargrethe Vestager委員は声明で、「DSAで、われわれは安全で責任あるオンライン環境の構築を支援する」と述べた。「プラットフォームは、コンテンツモデレーションの判断について透明性を確保し、危険な偽情報が拡散することを防ぎ、安全ではない商品がマーケットプレイスで提供されないようにするべきだ。23日の合意によって、われわれは、自社のサービスが社会や市民にもたらす恐れのあるリスクについて、プラットフォームに確実に責任を負わせることになる」(Vestager委員)
DSAは、大手IT企業に対する規制を強化する2つの柱の1つだ。EUは2020年12月に法案を公開した。もう1つの柱であるデジタル市場法(DMA)は、3月に暫定的な合意に達した。反競争的な行為などの問題に対応することを目的としている。いずれも議会などの承認を得る必要があるが、大きく変更されることはないと考えられる。EUでは、一般データ保護規則(GDPR)も施行されている。個人情報の収集や共有を管理する権利などをユーザーに付与するものだ。
欧州は、巨大IT企業を規制する取り組みを長く主導してきた。デジタルサービス法とデジタル市場法はいずれも、世界の政府による、主要なITプラットフォームをめぐる問題に対応するための取り組みに影響を与える可能性がある。
欧州委員会が公開している概要によると、DSAの下で、EU人口の10%以上の利用者を擁するプラットフォームは、自社システムの悪用を防ぐために講じている対策について、独立した監査を受けることが義務付けられる。このほか、オンラインマーケットプレイスが違法商品の販売者特定に協力することを義務付ける、違法商品、サービス、コンテンツをユーザーが報告する手段を設け、プラットフォームが「信頼できる報告者」と協力するといった内容が挙げられている。
この法律に違反した企業は、多額の罰金を科されるとともに、ブランドの評判を損なう恐れがある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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