「Facebook」を運営するMetaとGoogleの親会社Alphabetなど5社は、気候変動への対処を目的とする10億ドル近い規模のプログラム「Frontier」を立ち上げた。これは今後大気中の二酸化炭素(CO2)を回収する技術が開発された際に、削減量を買い上げることを約束するというものだ。
Frontierは決済サービス事業者Stripeのチームが運営するプログラムで、集めた資金を認証済みの炭素回収プロジェクトに活用すると表明している。Eコマース企業のShopifyおよびコンサルティング企業のMcKinseyも、このプログラムに参加している。
Frontierは、事前買取制度(AMC)を活用したプログラムの一例だ。AMCとは、ある製品を開発する企業に対し、将来完成した製品の買い取りを保証する制度で、ワクチンや新薬など、新製品の開発コストがきわめて高く、完成しても利益が出ないことを企業が懸念している場合に利用される。
Frontierの参加企業は、地球温暖化の主な原因となっているCO2の回収に対し、2030年までに合わせて9億2500万ドル(約1160億円)を拠出すると誓約している。気候変動問題への取り組みの大半は、再生可能エネルギーへの移行や食肉消費の抑制などの手段による、排出量の削減に主眼を置いている。だが、鉄鋼やコンクリートの生産といった事業活動で排出されるCO2を埋め合わせるためには、回収が重要になる可能性がある。ただし、CO2回収の仕組みが機能するのは、年間の回収量がギガトン単位という巨大な規模に達した上で、経済性を確保できた場合に限られる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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