SpaceXは、同社の衛星インターネットサービス「Starlink」を利用するための通信用機器をウクライナに提供したが、その費用の一部を米国政府が補助した可能性があると報じられている。ただしSpaceXは、同政府から資金提供があったことは認識していないとしている。
The Washington Postは、非軍事の国外援助を行う米国際開発庁の文書を基に、その支出を詳しく報じている。記事によると、米国の納税者はこの取り組みに約300万ドル(約3億7000万円)支払ったことになる。これらの資金は、1台1500ドル(約19万円)するStarlinkの通信用機器約1500台の購入と、ウクライナへの輸送費80万ドル(約1億円)に使われたという。
記事によると、SpaceXはインターネットサービス本体と併せて、通信用機器3670台を寄付したとされる。
SpaceXのプレジデントを務めるGwynne Shotwell氏は3月、CNBCの取材に対し、「ウクライナに通信用機器を送る目的で、米国(政府)が当社に資金を提供したとは考えていない」と述べていた。同氏は、資金の大部分は民間から拠出されたものとした上で、フランスから支援を受けており、さらにポーランドからも支援を受ける見込みだと語ったとされる。
2月下旬にロシアがウクライナに侵攻した後すぐ、SpaceXはStarlink端末をウクライナに寄付するとMusk氏が表明した。インターネットアクセスの手段が損なわれる中、現地の人々が衛星通信サービスを使えるようにするためだ。同氏はサービスの利用者に対し、ロシア軍に探知されないように気をつけるよう警告もしていた。
米国際開発庁によると、計5000基を超えるStarlink端末がウクライナに送られたという。
同庁は5日に掲載したプレスリリースで、「米航空宇宙メーカーSpaceXとの官民パートナーシップを通じ、5000基のStarlink端末をウクライナ政府に届けた」としている。米CNET宛の電子メールでは、「ウクライナ政府のために1333台の端末を直接調達した上で、安全に配達するために地上での物流支援を提供した」と説明した。
同庁の広報担当者はStarlink端末の配達について、「さまざまな利害関係者」のおかげで可能になったとした上で、その貢献は計1500万ドル(約19億円)に相当し、物資の調達、国際線の航行、地上輸送や衛星インターネットサービスなど多岐に及んだと説明した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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