NECは2019年に、ヘルスケア事業強化の一環として、最先端AI技術群「NEC the WISE」を活用したがんなどの先進的免疫治療法に特化した創薬事業に本格参入すると発表。今回の次世代ワクチンの開発も、この際の研究結果を応用したものとなっている。
「実質的に、がん創薬は検証を含めて時間がかかるので、まだものとしては出ていないが、方向が間違っていないことをCEPIに確実に認めていただいたことは明らか。NECの次の社会の貢献の柱、事業の柱に育てていく」(NEC 取締役 会長の遠藤信博氏)と意気込む。
CEPIは、2017年1月にダボス会議で発足した、ワクチン開発を行う製薬企業・研究機関に資金を拠出する国際基金。日本、ノルウェー王国、ドイツ連邦共和国、英国、欧州委員会、オーストラリア連邦、カナダ、ベルギー王国、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラストなどが拠出している。現在、新型コロナウイルスに対するワクチンの開発も支援。2022年2月に日本政府は、今後5年間で3億ドルを拠出すると発表している。
NECは、NECオンコイミュニティを通じて、欧州ワクチンイニシアチブ(EVI)やオスロ大学病院などの研究コンソーシアムを主導し、広範なベータコロナウイルス属に対するmRNAワクチンの設計およびコンセプト実証を行うプロジェクトを開始する。
なお、CEPIが資金を拠出するワクチンは、公平にアクセスできることを原則としている。このEquitable Access Policy(公平なアクセスポリシー)に従い、NECはCEPIと資金拠出契約を締結し、プロジェクト成果への公平なアクセスを約束している。
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