楽天グループは4月5日、循環型社会の形成に貢献する新たなECプラットフォームの実現を目指し、フリマアプリ「楽天ラクマ」をリブランディングすると発表した。
同日からロゴやアプリアイコンのデザインを刷新する。また、130社以上のリユース(中古)事業者や40社以上の国内の並行輸入事業者が出店する「ラクマ公式ショップ」と、農産物や水産物などの取り引きに特化した「産直・こだわり食品」の本格提供を開始する。
個人間の「CtoC」取引だけでなく、企業が間に入る「BtoC」取引もカバーし、二次流通や応援消費といった「サーキュレーション市場」の創造、発展を牽引していく狙いだ。
ラクマ公式ショップは、実店舗の運営などで実績のある大手のリユース事業者、海外からの買い付け商品を取り扱う国内の輸入事業者などが、楽天ラクマに公式に出店する。プロが検品したリユースのブランド品、スマートフォン端末、並行輸入品などを数多く取り扱うという。
事業者による出品商品ページには「公式マーク」を表示し、個人の出品者と事業者を見分けられる。また、リユース事業社や輸入事業者に加え、年内半ばには、アパレルブランドと連携したブランド公式のアウトレット、セール品などの取り扱いも開始する予定だ。
産直・こだわり食品では、食品ジャンルにおける生産者や加工業者、卸業者の事業者が出店。農産物や水産物などに特化した商品を販売する。
いずれの場合も事業者として出店する場合は審査に合格する必要があるが、在庫連携のAPIシステムといった個人出品と異なる機能を活用できるという。
楽天グループ 上級執行役員 新サービス事業 ヴァイスプレジデント 松村亮氏は、「コロナ禍、SDGsといったトレンドもあり、リユースのマーケットが著しく成長している。近い将来にリユース業界の市場規模は3兆円を超える」と、市場の堅調な成長を説明する。
一方で、リユース市場には「半分以上がBtoC、いわゆる事業者が商品を買い取って売っている部分が占める」(松村氏)という特徴があると分析。これまでのCtoC領域に加え、BtoC領域にも注力する理由を説明した。
同日には、「RAGTAG」ブランドを取り扱うティンパンアレイでECグループ ゼネラルマネージャーを務める桜庭邦洋氏、「ブランディア」を取り扱うデファクトスタンダードで取締役を務める植松勇人氏、「ALLU」を取り扱うバリュエンスジャパン ALLU推進部 副部長を務める藤本勇人氏と、楽天グループ ラクマ事業部 ヴァイスゼネラルマネージャーの室井陽子氏によるトークセッションも実施した。
リユース市場の成長に伴う景況感やラクマでの試験販売の結果、各ブランドのラクマ公式ショップへの参画理由などを説明した。
二次流通をメインとする楽天ラクマのメインユーザー層は10~30代で、30~40代をメインユーザー層とする「楽天市場」との相乗効果も狙えるという。「若年層に強いラクマと楽天市場を併用していく『サーキュレーション・ストラテジー』を進め、グループ全体の流通を押し上げていく」(松村氏)。楽天市場やトラベル、ブックスなどの楽天グループのサービス全体で目指す「国内EC流通総額10兆円」の目標達成へ期待を寄せた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス