量子コンピューター向けアルゴリズムソフトウェアを開発するQunaSysは3月28日、第三者割当増資により、シリーズBラウンドで計12.4億円の資金調達を実施したと発表した。
JICベンチャー・グロース・インベストメンツをリードインベスターに、ANRI、HPCシステムズ、Global Brain、科学技術振興機構 出資型新事業創出支援プログラム、新生企業投資、日本ゼオン、富士通ベンチャーズファンド、三菱UFJキャピタルが引受先となる。なお、HPCシステムズ、日本ゼオン、富士通とは、資本業務提携に向けて合意している。
Googleが量子超越を発表した2019年以降、量子コンピューター業界を取り巻く状況は大きく変わっている。特にこの2年間で、世界的に企業の関心の高まり、投資拡大、産業化に向けた技術開発・事業開発が進展しており、量子産業という観点で歴史的な変化といわれているという。
同社は、2019年に実施した資金調達以降、圧倒的な事業成長の根拠となる実績づくりとして、研究開発、事業開発の両面でさまざまな活動を実施。
2020年7月には、量子コンピューターの応用検討コンソーシアム「QPARC」を創設。以来、累計50社以上もの企業が参加し、さまざまな企業とユースケース探索などを行ってきた。
なお、ユースケース探索の試みは世界的にも評価され、2021年夏から製薬系コンソーシアム「Pistoia Alliance」や「Quantum Flagship」など、海外の有力団体との連携を開始している。
また、2020年10月から量子コンピューター向け量子計算クラウドサービス「Qamuy」の提供を開始。2022年3月時点で累計330万以上ものジョブ数がQamuy内で実行されているという。
この他にも、ENEOSホールディングス、JSR、PsiQuantumなど、多くの企業と共同研究を実施。産業応用に向けた技術成果の創出にも取り組んでいる。
今回調達した資金については、日本における事業拡大のほか、海外での事業展開の加速にも活用。また、量子コンピュータ上での化学計算用ソフトウェアの開発、欧州拠点の開設などに利用するという。
同社では、数年以内に到来するとされる量子コンピューターの実応用を見据え、量子コンピューター向け量子計算クラウドサービスQamuyの世界的なデファクト化を目指すとしている。
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