本稿は、アトラエ Wevoxカスタマーエンゲージメント兼 慶應義塾大学「仕事とウェルビーングコンソーシアム」事務局長を務める中村友也氏が、2022年2月12日に掲載したnote「テレワーク下におけるオススメのチームビルディングについて」の転載となります。
日経COMEMOのお題が個人的に興味深かったので、初めてCOMEMOに関するnoteを書いてみます。
今回のテーマは「チームビルディング おすすめのやり方」のようで、テレワーク下におけるチームビルディングについて以下の質問の流れに沿って書いていこうと思います。
・テレワークをするうえで、改めてチームビルディングが必要だと思ったことはありますか。それはどんな時ですか
・チームビルディング、あなたのおすすめのやり方を教えてください。実践して良かった、ちょっとしたコツ、などがあればぜひお願いします
・チームビルディングで、実際にどんな成果を感じられましたか。どんな点に気を付けて進めていくべきでしょうか
私の実体験からお伝えすると、1回目の緊急事態宣言でチーム全体がテレワークになった時、隣の人やチームメンバーに対して「ねぇねぇ」と気軽に声がかけられないことによる様々な課題が出てきたというのがチームビルディングを必要だと考える理由です。
会社に出社していれば、相手側の忙しさ(顔の表情や誰かと話をしているか等)を知る情報量が多いですが、テレワークになると相手が何をしているのか?今はどんな状態なのか?を察する情報量が減りました。
そのため、チーム(≒自職場やご自身がお仕事をする上で関係する人。同じゴールに向かって仕事をしている集団)メンバーとの間でお互いの理解度が高くないと、コミュニケーション自体が難しくなることがありました。
例えば、チームに新メンバーが入ってきてくれた時は、新メンバーからすると色々と知りたいけど、「誰に何を聞けば良いのか分からない」、「いつ声をかけて良いかも分からない」ということは発生しがちだったかと思います。
また、以下の記事によれば、テレワークにおける孤立化や生産性の課題も指摘されています。
テレワークが「週2.5日以上」の場合、社員は企業との接触感を失い(孤立化)、生産性はピーク時より落ちる。
●「マネー現代」2018年11月1日掲載【フランス人が「テレワークは週2日まで」と言う理由】
合わせて、パーソルグループ企業と私たちWevox(ウィボックス)チームの共同研究においても以下のことが分かり、対策としてチームビルディングの要素が大切だということが分かりました。
・テレワークの長期継続は、チームワークや組織への共感度合いが悪化する場合がある
・テレワークと異動が重なると、エンゲージメントが悪化する場合がある
●「パーソルプロセス&テクノロジー」2020年4月21日掲載【テレワークとエンゲージメントの関係性についてのレポートを発表】
私のハイブリットワーク下における鉄板のチームビルディング方法を今回ご紹介します。
鉄板のチームビルディングというのは、どのチームでやっても盛り上がることが出来、チーム内の相互理解が高まり、結果として、チームの心理的安全性が育めると思っているためです。
それが、この「Wevox values card」(=価値観カード)というツールです。
基本的な遊び方は以下の通りでシンプルです。トランプのように山札からカードを引きながら、ご自身の価値観に合うカードを最終的に5枚選ぶというゲームになります。
また、以下の図では「あなたが人生で大事にしたい価値観は?」というテーマで、チームメンバー同士でプライベートも含めた価値観を理解し合う機会としてテーマ設定されていますが、「あなたが仕事で大事にしたい価値観は?」というように仕事にフォーカスしたテーマに変更することも可能です。
Zoom、Meet、Teams等、オンライン会議システムを利用してプレイが出来ます。本ゲームのちょっとしたコツは、『価値観カードを捨てる時に理由を述べること』です。
例えば、いつも冷静でロジカルな管理職の方が、「ロジック・論理」や「合理的」というカードを捨てると、参加メンバーからすると「えっ?」って驚きがあり、そのカードを捨てた理由の説明を受けて「あぁ、人生においてはそのような価値観で考えているのかぁ」という気づきがあります。
ちなみに私がチームメンバーと実施した時の価値観は以下でした。カードの引きの問題もあるので、全てのカードの中で必ずしも自分にとってベストのカードが引けるかというのは???なのですが、私個人としては非常に自分らしいカードを選べたなという感覚です。
「友情・努力・勝利」と少年ジャンプのような価値観のメンバーもいれば、「愛・勇気・正義」とアンパンマンのような価値観のメンバーもいて盛り上がりました笑
また、チームメンバーの価値観が分かったら、Slack等のコミュニケーションツールで、他のプロジェクトのメンバーにもシェアするのもちょっとしたポイントです。現在のプロジェクトが異なってコミュニケーション機会がなくても、本情報の共有で「あぁ、あの人はそういう感じの人なのか」ということの理解促進に繋がるからです。
さて、本コンテンツですが、以下のように多くチームで体験されています。
【Wevox values card 遊び方?皆でハック!?|Wevox(ウィボックス)】
チームビルディングの様子を垂れ流し実況してくれているチームもいらっしゃいました(笑)。
Wevox values card(=価値観カード)によるチームビルディングでは、主に以下の2つの成果を感じられています。
(1)チーム内の相談がしやすくなる
(2)チームの課題に早く気づける
結果として、プロジェクト全体の生産性が高まり、個々人の価値観理解を促進されるので、チームのエンゲージメント向上にも繋がるのかなと思います。
また、気をつけるべき点としては、チームも生き物なので、新しいメンバーが増えた時等、チームに変化がある時は改めてチームビルディングの機会を設けてみることかと思います。
Wevox values card(=価値観カード)によるチームビルディングであれば、カードの引きの問題があるので、同じようなチームメンバーで実施したとしても、最終的には前回と別の5枚カードを選択することになるので、新たな気づきがあると思います。
ハイブリットワークやテレワークでいくつかの企業が「従業員を監視する」ようなアプローチを見ることがあります。本アプローチはチームのエンゲージメントを高めるという文脈においては必ずしも良いアプローチではないと考えています。せっかくなら、皆が働きがいを感じるチームにしたいですし、何より楽しく働きたいですよね。
最後に「One more thing」的に、特性診断というチームビルディングツールについても共有します(詳細はまた今度ということにしますが)。
【【相性の良いビジネスパーソンがわかる!】Yentaの特性診断】
本ツールは、約70問の質問に回答する(10-15分くらい?)と、自分の特性を診断してくれるツールです。私の場合は以下でした。
自分の特性が分かるので自己理解にも使えるのですが、以下のようにチームメンバーのバランスを見ることが可能です。
例えば、私のチームでは「具体・現実」よりのメンバーが少なかったので、実装力に課題があるのでは?とチームメンバーと笑いながら話をしました(私はそのチームを率いる立場にあるので、実装力がないのはとても困るのですが)(苦笑)。
皆さんはどのような取り組みをされていらっしゃいますか?
ハイブリットワーク下におけるオススメのチームビルディングについて色々と知りたいので、多くの方と対話できたら嬉しいです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」