ID管理や認証サービスを提供するOktaの最高経営責任者(CEO)であるTodd McKinnon氏は米国時間3月22日、同社を標的とする不正アクセスの試みが1月にあったことを認めた。同社は、JetBlue、Nordstrom、Siemens、Slack、Teach for Americaなど、1万5000社以上の企業や組織に2要素認証を提供する認証大手だ。
「1月後半に、Oktaは当社のサブプロセッサーの1つで働くサードパーティーの顧客サポートエンジニアのアカウントに対する不正アクセスの試みを検出した。この件については、サブプロセッサーが調査して封じ込めた」と、McKinnon氏はTwitterで明らかにした。
Reutersによると、3月21日、Oktaの社内チケットおよびメッセージングアプリ「Slack」上の社内チャットとみられるスクリーンショットがオンラインに投稿されたことを受け、同社はデータ漏えいの調査を開始した。このスクリーンショットは、LAPSUS$と名乗るハッカー集団が自らのTelegramチャンネルに投稿したとされる。
「オンラインで共有されたスクリーンショットは、1月に検知された活動に関連するものだと考えている。これまでの当社の調査に基づき、1月に検出した活動以外に悪質な活動が続いている痕跡はない」と、McKinnon氏はツイートしている。
同社は22日、公式の声明を発表し、「Oktaのサービスは侵害されておらず、完全に稼働しています。お客様がとるべき是正措置はありません」と説明した。
「Oktaのお客様に対する潜在的な影響は、サポートエンジニアが持つアクセス権に限定されます。これらのエンジニアは、ユーザーの作成、削除、顧客データベースのダウンロードを行うことができません。サポートエンジニアは、限られたデータ(例えば、スクリーンショットにあったJiraチケットやユーザーリスト)へのアクセスは可能です。また、サポートエンジニアは、ユーザーのパスワードや多要素認証のリセットをすることができますが、これらのパスワードを取得することはできません」(同社)
2021年は、あらゆる業界で過去最高のデータ漏えい件数を記録した年だった。Identity Theft Resource Centerのレポートによると、米国における2021年のデータ漏えい件数は前年比で68%増加し、過去最高を記録した。
【更新:3月23日10時37分】Oktaの公式声明に関する情報を追記しました。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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