OYO Japanは3月16日、4月1日に社名を「Tabist株式会社(タビスト)」に変更すると発表した。ブランドもリニューアルし、日本の旅と宿泊環境によりフィットした新たな旅体験を提供するブランドへと生まれ変わる。
OYO Japanは、2019年2月にOYO Hotels Japanとして発足。2020年7月に賃貸事業のOYO LIFEと合併し、OYO Japanを設立した。2021年6月には賃貸事業を霞ケ関キャピタルの子会社に事業継承し、株式会社化してホテル事業に集中してきた。現在、株主はソフトバンク、OYO Hospitality UK、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの3社で構成。代表取締役社長CEOを田野崎亮太氏が務め、取締役CFOは高山政博氏、エリック・ガン氏は取締役としてTabistをサポートしている。
OYO Japanでは、全国にあるホテルや旅館とパートナーシップを結び、ホテルや旅館の持つサービスや施設などをいかしながら、ブランディングや集客などをサポート。加盟施設は2021年1月時点で235、部屋数は6820にのぼり、施設数は日本で3位にまで拡大している。
「各地域に根ざした中小規模のホテル、旅館にフォーカスしている。提供しているのは、集客、売上の最大化、生産性向上、オペレーション代行の4つ。これにより加盟店の利益を上げ、その結果私たちの利益も上がる。このサイクルを回すことに挑戦し続けていく」(OYO Japan 代表取締役社長兼CEOの田野崎亮太氏)と取り組みを話した。
今回の社名変更は、日本の旅と宿泊環境によりフィットした新たな旅体験を提供するブランドへと生まれ変わることを目指し、実施するもの。「タビストとは『旅する人』という意味。旅には必ず物語がある、そのストーリーをタビストが作りたい。ロゴカラーには、神社仏閣や鳥居などに用いられる朱色を採用。人が集まる場所の色でもあるので、加盟施設の多くのゲストが集まる環境を作りたい」(田野崎氏)と思いを話した。
リブランディングでは専用のTabistアプリを用意し、手軽に宿泊予約ができ、チェックイン、チェックアウトも簡単、多彩なご当地情報も提供するなど、旅を手軽に提案できる環境を整えていくとのこと。「コアになるのはご当地情報。例えば、西川口は今、中華タウンへと変貌を遂げているが、その体験を宿泊して食べるだけではなく、ご当地のシェフに料理を習うなど、アクティビティも含めて提供していきたい。こうした提案ができるのは、地域に密着にした宿泊施設と組んでいるからこそ」(田野崎氏)と地域創生につなげる。
コロナ禍により、苦戦を強いられた宿泊業界だが、OYO加盟店では、2020年4月に発令された緊急事態宣下でも40%前後の稼働率を記録するなど、市場と比較してもプラスアルファの稼働率を達成できているとのこと。一方で、域内旅行の需要が増大するなど、グローバルからマイクロへのニーズの変化も捉える。
OYOを利用するユーザーは、40〜50代のビジネスパーソンが中心。加えて家族旅行などになっているという。「タビストでは、ミレニアル世代も獲得していきたい。この世代の方はモノよりコトを重視する傾向にある。宿泊施設の個性を重視し、地域のアクティビティなどもとりいれることで、新たな体験を提供していきたい」(田野崎氏)とした。
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