NTTドコモ、阪急阪神不動産、アイテック阪急阪神は3月9日、「バーチャル技術を活用した、リアル店舗とオンラインショップを融合させた新たなファッション体験の実現」に関する実証実験を3月10日から開始すると発表した。
阪急阪神不動産が運営、管理する大阪梅田の商業施設「HEP FIVE」などで、4月10日まで実施する。バーチャル試着や友人とのコーディネート体験のほか、店舗在庫連動型ECを提供するという。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響やテクノロジーの進化に伴い、価値観や生活様式は大きく変化しているという。ドコモがZ世代を対象として実施したリサーチによると、購買体験における偶発的なアイテムとの出会いや、友達とのコミュニケーションを重要視していることがわかったという。
今回の実証実験では、これらの背景に基づき、バーチャル技術を用いてリアル店舗とオンラインショップを融合させた各種体験を提供。利用者の購買体験におけるエンターテインメント性や、利便性の向上にどのような効果があるのかを検証する。また、商業施設への送客効果や来館者の購買行動に与える影響についても検証する。
具体的には、HEP FIVEで「TRY ON! NEWS TYLE PROJECT」と題したイベントを開催。ドコモが開発を進めるXRコンテンツ開発ツールや、衣装3Dモデル加工技術を活用した「iOS」「Android」向けの実証実験用アプリ「HEPSコーデ」などを、4月10日まで提供する。
アプリでは、バーチャル上に再現したHEP FIVEで、3D化したファッションアイテムのコーデ体験が可能。友人などと一緒に会話をしながら複数ブランドのアイテムを組み合わせて、コーディネートを楽しめるという。また、アプリで紹介するアイテムや、HEP FIVEに入居するさまざまな人気ショップのアイテムを購入できるECサイト「HEP FIVE ONLINE SHOP」を開設する。
HEP FIVE内には、AR試着体験ゾーンを設置する。ドコモが開発した3Dバーチャル試着システム「3D Dress-upシステム」を活用したデジタルサイネージでAR試着が体験できる。また、3D化したファッションアイテムを利用したコーデも体験できるという。
ドコモは、XR技術や3D技術などのバーチャル技術を活用してどこからでも実店舗に近い体験を提供し、地域全体の活性化を目指す。
阪急阪神不動産とアイテック阪急阪神は、デジタル空間における新しい体験やデジタルとリアルの融合に向けた最新技術の利活用を通じ、購買行動の変化に対応した新しい価値を持つ魅力ある商業施設づくりを検討する。
なお今回の実証実験は、ドコモがパートナーとともに、人々の生活がより豊かになる技術の価値検証を行う取り組み「ライフスタイル共創ラボ」の一環として行われる。
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