長野県塩尻市でオンデマンドバスが本格運行--4月から、対象エリアの地域振興バスは廃止

 長野県塩尻市は、2020年度から実証運行をしていたAI活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」を、4月1日から正式なサービスとして導入すると発表した。

 現在の地域振興バス「中心市街地循環線」を廃止し、のるーと塩尻を本格運行する。

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 塩尻市では、1999年から民間委託のコミュニティバス「すてっぷくん」を運行しているが、利用者ニーズの多様化に伴う需給のミスマッチなどを背景に、利用者数が減少。加えて、運行を担う事業者の立場としても乗務員の高齢化、担い手不足が深刻化し、サービスの持続性が低下しているという。

 これらの課題を解決するため、地域振興バスとのるーと塩尻を組み合わせ、効率的な交通網の構築を目指す。

 のるーと塩尻は、利用者が乗りたい時にアプリで呼べる乗合バス。「のるーと」を展開するネクスト・モビリティが運行主体となる。決まったダイヤを持たず、AIシステムで乗合い状況や道路状況に応じた効率的なルートを案内するのが特徴。

 2020年度の無償での実証運行では、1カ月で目標を大きく上回る2410人の利用があり、利用者アンケートでは約8割が高い満足度を示したという。2021年度は実証運行の第2弾として、10月から半年間、有償(大人1回200円)で中心市街地循環線エリアを運行。サービス代替を検討していた。

 令和4年度以降も年次ごと実証運行を繰り返し、運行エリアを拡大しながら市街地ゾーン全域での活用を検討するとしている。

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2021(令和3)年度以降の予定

 今後は、市内で行っているMaaS事業を松本市まで拡大した「広域医療連携MaaS実証事業」も開始する。塩尻市と松本市の公共交通機関を連携し、総合病院が市内にない塩尻市民の通院の足を確保できるか実験するという。のるーと塩尻単体のサービスでの完結ではなく、他の交通モードをマルチモーダルに組み合わせて全国に横展開可能な官民連携のサービスモデルを構築し、日本全国の中山間地域における交通課題の解決に寄与することを目指すとしている。

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