火星では現在、米航空宇宙局(NASA)の探査機2基と中国の探査機1基が活動している。欧州宇宙機関(ESA)は、火星探査計画「ExoMars」で探査機を2022年後半に打ち上げ、2023年に着陸させる予定だった。しかし、ロシアによるウクライナへの侵攻を受け、予定通りに進む可能性は「ほぼなくなった」と、現地時間2月28日に発表した。
この計画は、ESAとロシアの宇宙機関Roscosmosが共同で進めているもの。当初のスケジュールでは、2022年9月にロシア製ロケット「Proton-M」を使ってカザフスタンから探査機を打ち上げることになっていた。「ExoMarsプログラムの継続に関しては、(ロシアへの)制裁とより広範な状況を踏まえ、2022年に打ち上げが行われる可能性はほぼなくなった」と、ESAは述べた。
この発表は、ロシアへの対応をめぐる加盟国との協議を受けたもの。ESAによると、加盟国はロシアに対する制裁を完全に履行する予定だ。
探査機の打ち上げは、もともと2020年に予定されていたが、技術的なトラブルやパンデミックに関連する問題で、2022年に延期されていた。しかし今では、このプログラムの先行き自体も不透明な状況だ。また、ロシアによる侵攻で、NASAとロシアの関係や国際宇宙ステーション(ISS)の運用にも緊張感が生じている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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