米環境保護庁によると、米国では2018年に900万トンもの服や靴がゴミとして捨てられた。たとえ寄付したとしても、結局は埋め立てられることも多い。
外国に輸出された古着も高い確率で廃棄されている。仕入業者にとって、古着のまとめ買いは一種の賭けだ。買う前に中身を一点一点確認することはできないので、あとになって価値がないと分かれば、廃棄されることになる。OR財団は、輸入古着の40%がゴミになると推定している。オーストラリア放送協会の報告書によると、2019年にアクラの埋立地で起きた大規模火災は大量の衣料品が一因になっていた。また、ガーナの海岸には頻繁に、長いロープ状にからまった衣類が流れ着く。
OR財団代表のKiz Ricketts氏は、余った古着をガーナに輸出する問題を取り上げた記事の中で、「北半球の埋立地からあふれた衣料品を南半球に捨てるのは道理に合わない」と訴えている。「これを『ソリューション』や『リサイクル』と呼ぶのは、さらに愚かだ」
もちろん、寄付された衣料品の中には状態の良いものもある。ガーナには、露天市を周って質の高い古着を仕入れ、ソーシャルメディアで転売している実業家がいる。
アクラで事業を営むLia Akuoko氏は、市内の古着市場で買った古着を「lias_prettyfinds」というInstagramアカウントに投稿している。例えばヒョウ柄のクロップドブレザー、細い肩紐のついた赤いラップドレス、Akuoko氏が縫い上げ、蝶のモチーフをあしらったジーンズなどだ。
「特に人気が高いのは、色鮮やかで直線的なシルエットのワンピースだ」と、Akuoko氏はWhatsAppで教えてくれた。
マレーシアでも、一部の業者が日本から輸入した古着を米国人向けのサイトで転売している。売れた服は再び海を越えて、米国に送られる。The New York Timesが2月に報じた記事によると、マレーシアでは多くの業者が仕入れた古着をEtsyやeBayに出品しているという。例えば、ある業者は日本で購入した高級ブランドの古着を米国の紳士服フリマサイト「Grailed」に出品している。
古着が引き起こしている問題を解決するために、まずできることは「服を買わない」ことだ。服を手放す場合も、やり方はいろいろある。次の所有者を見つけ、直接引き継ぐことはその1つだ。
例えばeBayやPoshMarkといったフリマサイトを使えば、個人も古着をネット上で販売できる。「FreeCycle」やFacebookの「Buy Nothing」といったオンライングループに参加するのも一案だ。思い切って服の補修や仕立ての技術を学び、リメイクに挑戦してもいいだろう。
もう着られないレベルの古着なら、繊維リサイクルに回すのが最善の策だ。手っ取り早いのは、慈善団体や回収ボックスを通じて寄付することだ。しかし再生繊維がゴミにならず、国内や遠く離れた国々で新しい製品の生産に再利用されるかどうかは、誰にも分からない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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