中古住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ)」を展開するツクルバは2月10日、売り出し前の中古不動産をマッチングするプラットフォーム「ウルカモ」を開始した。住宅の売却市場活性化を狙う。
ウルカモは、持ち家の売却検討者が住まい情報を投稿し、中古住宅の購入検討者がその投稿にリアクションできる売り出し前中古不動産の売買意向のマッチングプラットフォーム。売却検討者は売り出す前に買い手の存在が見え、購入検討者は売出し前の住まいを知れることが特徴だ。
広さ、築年数など住まい情報をスマートフォンから登録すると、AI査定とプロによる独自の内装査定が受けられ、おおよその売却価格がわかる仕組み。投稿した物件には、「スキ」や「買うかも」などのスタンプがついたり、コメントが書き込まれたりすることで、購入希望者の興味度合いがわかる。公開された情報は、匿名性が守られプライバシーに配慮された形で公開される。
買うかもスタンプで強い興味を表明した購入希望者には、「内見ファストパス」が付与され、売却検討者がツクルバと媒介契約を結んで売却活動を開始した際には、優先的に内見できる権利が得られる。
「昨今、住宅売却のニーズが高まり、20〜40代の若い世代の人でも売却経験者が増えてきている。その背景には、ライフスタイルの変化にあわせて住み替えるスタイルが定着し、売ることを前提に住宅を購入しているから。一方、コロナ禍において家に求めることも変わってきた。売却を考えるのは当たり前の時代になってきた」とツクルバ 執行役員サプライサイド事業部事業部長の山田悠太郎氏は、家に対するニーズの変化を説明する。
しかし、家の売却には情報収集や価格査定、仲介決定、契約、実売却などのステップがあり、「準備が大変そう」「不安に感じる」と思う人も多いとのこと。「一括査定などに申し込むと、各社で価格が違ったり、査定がしたいだけなのに営業の電話がかかってきたりと煩わしく感じる人も多い。そうした思いをせず、簡単手軽にでき、信頼度の高い情報が得られる、ウルカモではそうした体験を提供したい」(山田氏)は思いを話す。
売却の意思決定前から使えるサービスを用意することによって、気軽に始められ、購入検討者の生の声も聞ける。「内見依頼がたくさん来てうれしかった」「家をほめてもらえた」といった、うれしい体験を積み上げることで、売却に対するイメージの変化も狙う。
個人での利用を想定し、利用は無料。実際に売却活動に移行した際は、ツクルバの不動産専門職がサポートし、不動産取引の実務を担う。掲載期間は3カ月で、投稿者は掲載残り期間が見られるようになっている。
ツクルバ 代表取締役CEOの村上浩輝氏は「物件を買いたい人、売りたい人にサービスを提供しているが、私たちが実現したいのは、いろいろな人が欲しい暮らしを手に入れられる世界。それを手軽に入手できるようにしたい」とした。
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