仮想通貨のエアドロップ--大量のトークンが無料でウォレットに振り込まれる仕組み - (page 2)

Daniel Van Boom (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年01月27日 07時30分

 OpenSeaでの使用額が大きくなるほど、受け取れるエアドロップの額も増える。エアドロップを受け取ると、年末恒例の「Spotifyまとめ」のようなインフォグラフィックが届き、そこに2021年以降のNFT取引データが記されている。SoulさんはOpenSeaを介してNFTに2万5000ドル(約285万円)を費やしており、その額は上位6%に入っていた。

 上位1%の人が受け取ったエアドロップは、法外と言いたくなるような金額だ。仮想通貨の大口の保有者たちは、届いたインフォグラフィックをTwitterに投稿し、数万ドル相当を超えるエアドロップについて誇らしげに語っている。中には、かなりの数のNFTを購入し、イーサリアムの悪名高い取引手数料にも多額を費やしたため、14万ドル(約1600万円)相当の$SOSトークンを受け取った投機家もいる。

 OpenDAOのトークンは人気が急騰し、12月26日には6億5000万ドル(約740億円)相当の$SOSが取引された。時価総額が3億1200万ドル(約356億円)に達したOpenDAOは、今や大手取引所に名を連ね、市場でも最大規模のDAOの1つとなった(DAOとは分散型自律組織のことであり、トークンを発行することで運営され、そのトークンが投票権としても機能する。DAOの資金の運用方法は、トークン保有者の投票によって決定される)。

 仮想通貨の世界でひとつ確実なことがあるとすれば、成功例があればすぐ、他でも模倣されるということだ。OpenDAOが大きな注目を集めて以来、エアドロップは後を絶たない。

次々と登場するエアドロップ

 エアドロップは変則的な一時のイベントではなく、通常は数カ月ごとに分散して実施されている。クリスマスより前の出来事としては、ウォレット番号を「Daniel.eth」のようなウォレット名に変換できるツールを提供しているEthereum Name Serviceによるエアドロップが、11月に大きな話題を呼んだ。だが、クリスマス以降は、OpenDAOの成功にあやかろうとするエアドロップが次々と登場している。その最初がGas DAOで、イーサリアムの取引手数料として支払ってきた金額に応じてトークンが付与された。このときSoulさんが受け取ったエアドロップは1300ドル(約15万円)相当だったが、それをはるかに超える額だった投機家もいる。

 「12月に、私がどうやって25万ドル(約2850万円)以上稼いだのか。この分野での独特な機会を分析しよう」と、多額を取引している、ある投機家がツイートしている。「私は$SOSと$GASを受け取った」

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