仮想通貨のエアドロップ--大量のトークンが無料でウォレットに振り込まれる仕組み - (page 3)

Daniel Van Boom (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年01月27日 07時30分

 1月10日の月曜、波に続いたのが「Looks Rare」だ。Looks Rareは、OpenSeaに対抗しようとしているNFTマーケットプレイスで、認知度の向上を狙ってのエアドロップ実施だった。2021年中にNFTを売買したことがあれば誰でも、Looks RareプラットフォームでNFTを1つ出品すれば、$LOOKSトークンを受け取ることができる。エアドロップの最小額は400ドル(約4万5000円)相当だったが、取引量が多かった投機家は、もっと多額のトークンを受け取っている。

 続いて、1月13日の木曜日には、取引手数料をいくら使ったかが分かる投機家向け分析ツールのfees.wtfもエアドロップに参戦。間もなくローンチする解析ダッシュボードツールの売り込みを狙ったものだ。

 ただし、すべてのエアドロップが平等に作られているわけではない。投機家に期待されているのは、トークンを売却せずに保有し、さらに購入を続けることだ。時間の経過に伴って、価値が上がるトークンもあれば、世間から忘れ去られるトークンもある。Looks Rareのトークンは1月10日のエアドロップ以来、価値が2倍になったが、$GASトークンの価値は数日しか持たず、ほとんどのエアドロップは無価値になった。

 「OpenDAOが成功して以来、まねをする人々が次々と現れている」と語るのは、OpenDAOを作った9x9x9さんだ。「しかし、彼らはOpenDAOの成功を、自分たちの金儲けに利用しようとしている」

 9x9x9さんによると、エアドロップは作成者を豊かにするために使われることが多いという。チームがトークンを蓄え、エアドロップを実施して話題を作ったところで、蓄えていたトークンを高値で売るのだ。具体的にどのエアドロップのことを言っているのかは明らかにしなかったが、OpenDaoは利益を二の次にしたプロジェクトであり、チームでトークンを蓄えることはしなかったと、9x9x9さんは得意気だった。

 しかし、仮想通貨の常として、リスクも存在する。fees.wtfのトークンの価値は1時間足らずで急落し、初期からの投資家にとっては災難となった。もっと悪いのは詐欺だ。

 Delphi DigitalのGedevani氏は、「仮想通貨で無料の資金を受け取れる、という話は、どんな形にせよ警戒が必要だ」と語る。「一般向けのチームから提供されているエアドロップは容易に本物だと見極めがつくが、これまでにも悪意のある例は、少ないながら存在した。そのほとんどは、出どころが不明で、ユーザーは資金を失う結果になっている」

 Soulさんは、こうしたリスクに関して流動的な立場で、その代わり、資金の流れは妨げたくないという考えだ。「エアドロップの流行を見ていると、どの新しいツールも試してみたくなる」

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]