ポケットにある世界--スマートフォンは2022年、ますます“スマート”に - (page 3)

Patrick Holland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年01月26日 07時30分

 「ゲーミングフォンは、ユーザーのゲーム習慣に基づいてリソースの割当てを最適化することで、あらゆる面でゲーム体験を格上げする」とZhang氏は言う。

 ニッチなスマートフォンのもう1つの好例が、続々と登場する折りたたみ式のスマートフォンだ。折りたたみスマートフォンがブームになった、と言う人もいるが、実際には半分に折りたためるスマートフォンや、その機能を活用したソフトウェアの開発は始まったばかりだ。

 私は、2021年は折りたたみスマートフォンの年になると考えていたが、新型コロナウイルス危機や世界規模のサプライチェーンの逼迫により、予想していたほどの盛り上がりは見られなかった。私はMotorolaが提供するポッドキャスト「MotoTalks」で、同社のプロダクトゼネラルマネージャーのJeff Snow氏、北米事業開発担当エグゼクティブディレクターのDoug Michau氏に折りたたみスマートフォンの今後について話を聞いた。

 「Razrは爆売れするようなモデルではない。それは承知の上で発売を決めた。このモデルの標的はニッチ市場、つまりポケットに入る小さなデバイスを求める層だからだ」とSnow氏は言う。

 折りたたみスマートフォンのために開発された技術はいずれ、他の一般的なデバイスにも応用されるようになるだろう。ゲーミングフォンの世界では、すでにこうした動きが見られる。例えば高リフレッシュレートのディスプレイを初めて搭載したスマートフォンはゲーミングフォンだが、現在では価格帯を問わず、ほぼすべての新型スマートフォンに高リフレッシュレートのディスプレイが搭載されている。

 ソフトウェアもニッチ化している。もっとも、ニッチ化の方向性は二極化しており、1つはAIを使ってバッテリーの持ちを改善したり、ディスプレイのリフレッシュレートを制御したりするもの、もう1つは、そうした設定をユーザー自身が細かく制御するというものだ。例えば、ASUSが製造するゲーミングフォン「ROG」シリーズは、ユーザーが設定を好きなように変えられるソフトウェアスイート「Armoury Crate」を搭載する。

 「『とにかく自分の好きなようにやらせてくれ。スマート設定はいらない』というニッチなユーザーもいる」と指摘するのは、ASUSのスマートフォン部門でテリトリーマーケティングマネージャーを務めるChih-Hao Kung氏だ。「こうしたニーズに対してはArmoury Crateが威力を発揮する。逆に、設定はぜんぶお任せにしたいというユーザーの場合は、デバイスがダイナミックチューニングを行う。ユーザーは何もせず、ソフトウェアを実行するだけでいい。しかしすべてを変えたいなら、それもできる、ということだ」

 2022年には、さらに高度なカスタマイズ性を備えたニッチなスマートフォンが登場するだろう。

スマートフォンは生活そのもの

 スマートフォンは1990年代後半から存在するが、現在私たちが使っている基本的なデザインは主に2007年のiPhoneに基づいている。これは15年前のことだ。2022年にはスマートフォンがよりスマートになるのにともない、私たちの「スマートな」世界の中心になりつつあることも認識しておくといいだろう。スマートホームや車載テクノロジーはスマートフォンに依存している。この状況が近いうちに変わることはない。2022年には、スマートフォンと距離を置くことがますます難しくなるだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]