AIは、スマートフォンのバッテリーも最適化する。ユーザーが適切な充電習慣を身に付け、スマートフォンに大容量のバッテリーが搭載される日を待たなくても、AIがバッテリーを長持ちさせてくれるのだ。
OnePlusの製品責任者Oliver Zhang氏によれば、スマートフォンのバッテリー管理機能は、ユーザーの使用状況に合わせて細かく設計されるようになるという。
「スマートフォン企業は、センサーやユーザーの行動データを用いることで、ユーザーに対する理解を深め、カスタマイズされたスマートなサービスを提供できるようになる」とZhang氏は言う。「充電システムのAIアルゴリズムにより、利用状況に合わせてモードが最適化されるため、スマートフォンのバッテリー持続時間は伸びるだろう」
世界保健機関(WHO)によれば、何らかの障害のある人の数は世界全体で10億人を超えるという。これは世界人口の約15%に当たる。AppleとGoogleは、障害の有無を問わず、あらゆる人が自社のOSを利用できるようにすることを約束している。
Googleのアクセシビリティー製品責任者Angana Ghosh氏は、「この2年間、さまざまなアクセシビリティー機能の開発に注力してきた」と語る。「例えば、聴覚障害を持つ人々のために音声を文字に変換する『音声文字変換』を開発。ChromeとAndroidには、AIを使ってウェブ上の動画や音声コンテンツに字幕を付ける『自動字幕起こし』を実装した。視覚障害を持つ人々に対しては、目が見えなくてもスマートフォンを操作できるように、『Talkback』(Android向け画面読み上げ機能)などの機能を強化した」
スマートフォンやソフトウェアのアクセシビリティーを高めるためには、製品設計の初期段階から関わる必要があるとGosh氏は言う。
アクセシビリティーを改善する方法はたくさんある。スマートフォンは言葉をこれまでよりも正確に翻訳し、自動予測できるようになるだろう。スマートフォンやソフトウェアの設計も、多様な言語、障害、性別、人種に配慮した、より包摂的なものとなる。
その兆しは、すでに2021年から現れていた。例えばGoogleは、肌の色が濃い人々をより正しく表現できるようにカメラ機能を改善すると発表した。Pixel 6とPixel 6 Proの開発では、有色人種のコミュニティーを美しく描写してきた監督や写真家、撮影技師たちの協力を得て、カメラやソフトウェアの開発を担当するエンジニアが肌の撮影・表現を改善できるようにした。
#Google released what it's calling the 'world's most inclusive camera' w/the #Pixel6—focused on ensuring ppl w/darker skin tones look their best. How does it compare to other smartphones? Which takes the best pic? You decide! We put the to the test: https://t.co/iunHdtCafW
— Julian Glover (@JulianGABC7) November 10, 2021
ここ数年、スマートフォンメーカーは万人受けするデバイス以外の可能性に目を向け始めている。現在、各社が注目しているのが特定のユーザーやグループに焦点を合わせたスマートフォンだ。ゲーマーを対象としたゲーミングスマホは、その一例である。ソニーは「Xperia」シリーズを刷新し、写真や動画の撮影を豊かにするハイエンドのハードウェアとソフトウェアを提供することで、写真家、映像作家といったクリエイティブな人々にアピールしている。Microsoftは生産性を高めるために、デュアルスクリーンを採用した「Surface Duo」を発売。サムスン、Motorola、華為技術(ファーウェイ)は、折りたたみスマートフォンやソフトウェアの分野で躍進を続けている。
こうしたモデルは、少なくとも現時点では大衆向けではない。しかし、こうしたモデルの開発目的は万人向けすることではなく、人々がスマートフォンに求めるものを提供することだ。ニッチなスマートフォンの先駆けはゲーミングフォンだった。特に初期のモデルは他の誰でもない、まさにゲーマーのためのデバイスだった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力