日本のDX推進で必要なのは「アナログを許容したデジタル化」--Sansan新サービス

佐藤和也 (編集部)2022年01月14日 17時23分
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 Sansanは、紙の契約書や電子契約書など、あらゆる形式の契約業務をオンライン上で完結し、一元管理を可能とする新しいクラウド契約業務サービス「Contract One」(コントラクトワン)を、1月13日付けで発表。同日より正式サービスを開始した。

 Contract Oneは、Sansanが培ってきたアナログ媒体を正確にデータ化する技術をもとに、紙の契約書をクラウドで受領・電子保存し、一元管理を可能とするサービス。契約書の製本から押印・郵送業務の代行まで行い、契約業務をクラウド上で完結させる。さらに主要電子契約サービス提供企業7社と機能連携することで、契約業務の包括的なDXを推進するという。2021年7月にプレローンチを行い、すでに既に45社が先行導入している。

Contract Oneでできること
Contract Oneでできること

 Contract Oneは、主に「スマート台帳」と「スマート判子」という、2つの機能で構成。スマート台帳は、どのようなフォーマットの契約書でもSansanが培ったデータ化技術により、正確にデータ化するというもの。契約書の情報をデータ化する際にネックになるのが、フォーマットや送付方法が各社で異なること。契約書は紙やPDF、電子契約を使って作成され、送付方法も郵送やメール送付など多岐にわたる。さらに電子契約を使用している場合でも、当事者間で使用するサービスが異なると、台帳化する際に手入力などの追加作業が発生することもあるという。

 データ化された契約書はスマート台帳で一元管理が可能。また索引機能が備わっており、過去の契約書を探す必要がある場合は、契約内容や日付、契約企業名などから該当契約書や類似契約書などをすぐに見つける事ができる。

スマート台帳
スマート台帳

 スマート判子は、ユーザー企業の印鑑(印章)をContract Oneに預けることで、契約書作成に関わる製本から押印、郵送まで全てオンライン上で指示・実行することが可能となるもの。契約締結時には、契約書を取引先に送付する作業が発生するが、紙の契約書を取り交わす際には製本や押印、郵送といったアナログな作業が発生し、担当者の負担になるとともに、テレワークなどの新しい働き方を阻害していることが課題という。

 スマート判子では契約書を発行する場合、Contract One上で指示をするとContract Oneが印刷・製本・押印を代行。取引先に郵送する。取引先から契約書を受領する場合は、ユーザー企業はオンラインで契約書の受領を確認し押印指示をすると、Contract Oneが押印を代行。取引先に返送する。

スマート判子
スマート判子

 あわせて、前述のように主要な電子契約サービスと機能連携を行う。「クラウドサイン」(弁護士ドットコム)、「電子印鑑GMOサイン」(GMOグローバルサイン・ホールディングス)、「Adobe Sign」(アドビ)、「jinger」(jinger)、「マネーフォワードクラウド契約」(マネーフォワード)、「NINJA SIGN」(サイトビジット)の7つとなっており、順次実装していく。取引企業間で異なる電子契約が利用されるケースもあることから、企業が契約書を一元管理するためにはPDF化やインポート作業など、煩わしい工数が追加で発生することもあった。Contract Oneにより、各電子契約で受領した契約書についても一元管理が可能となるという。

 Contract Oneの料金体系は月額10万円からとなっており、契約書のデータ化件数に応じて価格が変動するとしている。

契約書の一元管理
契約書の一元管理
電子契約サービス主要7社と連携
電子契約サービス主要7社と連携

 Contract Oneの正式サービスの提供にあわせて、発表会を実施。Sansan代表取締役社長 CEOの寺田親弘氏は、日本でDXを推進するにあたって「アナログを許容するデジタル化の観点が必要」と説く。急激な業務プロセスのデジタル化は自社だけではなく周辺企業に負担を強いる可能性があり、個別の事情があるなかで同時進行で進めなければいけないデジタル化はなかなか広がらないと指摘。そのうえで、周囲の企業環境に左右されずに、自分たち本位でデジタル化ができる仕組みが大事と語った。

Sansan代表取締役社長 CEOの寺田親弘氏(左)と、Sansan Contract One Unitの松尾佳亮氏(右)
Sansan代表取締役社長 CEOの寺田親弘氏(左)と、Sansan Contract One Unitの松尾佳亮氏(右)

 このことを踏まえ、Contract One開発の背景や狙いとして着目したのが、未だ紙媒体が中心となっている契約書という。「企業間取引における最重要書類といっても過言ではない一方で、さまざまなフォーマット形式で届くため、一元管理が難しい状況がある。さらに受領したあとに、相手企業と自社とで押印や保管などアナログな作業が残っている。コロナ禍により電子契約の普及は加速したが、まだまだ紙が中心。普及の加速の結果、契約書関連業務にデジタルとアナログがミックスされ、かえって業務環境が複雑になっている」と指摘。Contract Oneを通じて企業の契約業務のDXを推進するとともに、企業のリスク管理にもつながるとした。

アナログを許容したデジタル化
アナログを許容したデジタル化

 Contract Oneについての説明を行ったSansan Contract One Unitの松尾佳亮氏は、導入のメリットとして、まず、押印業務などアナログな工程や煩わしい保管業務について、デジタル化を通じて契約業務自体の効率化を図れること挙げる。さらに紙や電子に関わらず全ての契約書をデータ化し、クラウド上に一元管理ができるため、過去の契約書情報の検索も容易になり、効果的に管理活用できるようになると語る。このことによって、紛失や多重契約、契約更新漏れ、意図しない費用負担のリスクを軽減するとし、加えて、改正電子帳簿保存法の法令順守も実現できるという。

 そしてもうひとつ、多用な働き方の後押しも実現すると語る。「契約業務をオンラインで完結できるため、押印のために出社する必要もなくなる。これによって、リモートワーク実現の後押しになる。また災害などがあった場合にも、インターネット環境さえあれば、出社せずとも契約業務に取り掛かることができるため、いわゆるBCP体制の構築にも繋がる」とコメントした。

Contract Oneでできること(契約書関連業務の変化)
Contract Oneでできること(契約書関連業務の変化)
Contract One導入メリット
Contract One導入メリット

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