雪や雨などを自動判別する多周波気象レーダー開発に着手--ドローンの安全運航に向け

 ウェザーニューズは1月6日、雨や雪、雲を自動判別する世界初の多周波気象レーダーシステムの開発を開始したと発表した。ドローンや空飛ぶクルマなどの安全運航を支援するもので、従来の気象レーダーが不得手としていた低高度の気象現象をより細かく観測できるという。

ドローンの運航に伴う気象リスク
ドローンの運航に伴う気象リスク

 多周波気象レーダーシステムは、低高度の雲や霧を観測し、空飛ぶクルマやドローンなどの無人航空機の運航をサポートする。実用化した場合、最適なルート選定や安全な飛行を支援できるようになる見込みだ。

 ドローンの場合、霧雨や弱い雨の中を飛行することはできるが、強い雨の中を飛行することは機体重量の関係で困難とされている。そのため、雨の強弱を把握して目的地に確実に到着するには、飛行ルート上の雲の様子を詳しく把握する必要がある。

 しかし、既存の気象レーダーやライブカメラ、衛星画像などを活用しても、現在の技術では雲の内部を高解像度に観測することが困難な状況といい、高解像度で雲の内部を観測できる多周波気象レーダーシステムの開発を決めたと説明する。

 多周波気象レーターシステムでは、1つのレーダーシステムで単一周波数を利用する従来システムと異なり、複数の周波数帯を1つのレーダーシステムで利用する。種類によって捉えやすい気象現象が異なる周波数帯の特性を活用し、高解像度な観測を実現するとしている。

 同システムは、2024年末までにプロトタイプを完成させ、ドローンの運航を支援する実証実験も行う予定だ。量産試作などを経て、2030年ごろに本運用開始を目指す。

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