外来種のカダヤシがか弱いオタマジャクシを根こそぎ食べてしまうのを防ぐのに、ブラックバス(オオクチバス)に見た目と泳ぎ方を似せた魚型ロボットが有効だとする研究が、12月16日付で「iScience」に掲載された。カダヤシがこの100年で世界的な有害生物になっていることを考えると、この魚型ロボットの成果は、脅威にさらされている世界中の生態系にとって大きな朗報となる可能性がある。
科学者チームは今回、自然界でカダヤシの天敵であるオオクチバスに見た目と泳ぎ方を似せた魚型ロボットを開発した。このロボットは、「コンピュータービジョン」を駆使し、オタマジャクシに近づくカダヤシを発見すると、その場に介入し、カダヤシを追い払うという。
論文の筆頭著者である西オーストラリア大学のGiovanni Polverino氏は、「外来種は世界的に大きな問題であり、生物多様性が失われる第2の要因だ」と述べている。「ロボット技術を使い、極めて広くはびこる有害生物の弱点を明らかにするわれわれの手法が、生物防除の慣行を改善し、外来種対策の強化につながることを望みたい」(同氏)
また、この論文の首席著者であるニューヨーク大学のMaurizio Porfiri氏は、「カダヤシの妨害には成功したものの、研究室で開発されたこのロボットフィッシュを野生環境に放流する準備はまだできていない」とした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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