米国の大手スポットコンサルが「ビザスク」の傘下に入った理由--日米2トップインタビュー - (page 2)

藤井涼 (編集部) 藤川理絵2021年12月30日 09時00分

バリューは「くっつけられるものじゃない」

——文化的な違いというお話も出ましたが、国が違う組織が一緒になるというところで、ビジョンやミッションはどのように変化したのでしょうか。

ケビン氏 : ビジョンについては、「世界的なプラットフォームを作って、将来をより良いものにして行こう」と、端羽さんとかなりの時間をかけて話し合って決めました。

 たとえば、新薬や新しい治療法などを考えるとき、自国の中のエキスパートだけではなく、地球の裏側のエキスパートとも話して知見を得ることが、より良い未来につながっていくとか、地球規模の環境問題についても、私たちのプラットフォームを使って問題を解決するお手伝いをしたいという話もしましたね。

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端羽氏 : はい。ビジョンやミッションは、私とケビンとの話し合いで決めてきました。そして、みんなが迷子にならないようにするため、「自分たちは何のためにこれをやっているのだ」と方向を指し示すことは大事なことなので、買収を発表した日にアナウンスしました。

——カルチャーについては、どのように作っていこうと考えていますか。

端羽氏 : カルチャーの融合においては、共通の価値観(shared value)がすごく大事です。お互いにバリューはあったのですが、くっつけられるものじゃないと思っているので、今後より長い時間をかけて、従業員も一緒に、フレーズを決めていきたいと考えています。

 いまは、ビザスクの6つのバリューが生まれた背景や内容を、英語で一生懸命書いて共有して、まず大事にしたいことの文章を整えた上で、「それならこれを大事にすべきだよね」「だったらこのフレーズはどうかな?」と、議論しているところです。私たちは2月末決算なので、3月くらいの発表を目指しています。

——日米の連携について、まだ実感が沸かないという従業員も多いのではないかと思いますが、カルチャー形成はどのように進めていきますか。

端羽氏 : 現段階では、ColemanのCHROとビザスクの執行役員のコーポレートグループ長の井無田が頑張ってくれていまして、お互いの人を紹介するイントラネットを構築しようと考えています。また、時差があって大変ではありますが、オンラインのソーシャルイベントも企画中です。

 やはり、お互いのデータベースを一緒に使ってビジネスをするので、カルチャー作りだけではなくて、ビジネスパートナーとしてお互いを知っていることはとても大事なので、できるだけ早くから従業員同士を関わらせていきたいと考えています。

ケビン氏 : いま、ビザスクの2名が米国に来ていますが、Colemanの社員が家に招いたりもしていますよ。それで信頼関係を築くことができたのは、非常によいことだと思っています。

——ほかにも、日米のコラボレーションをうまく成り立たせるために、気をつけていることがあれば教えてください。

ケビン氏 : なるべく毎日話すことです。オンラインツールを使うときも、たとえばメモを取って共有して、それについて質問があれば聞く、さらにその情報も共有するなど、やはり人を大事にすることが本当に重要だと思っています。

端羽氏 : そうですね。なるべくみんなが話すことや、情報の透明性はとても大事です。そのためにはまず、言語が違うという認識を持つことですが、ケビンがね、みんなの前でこう言ってくれたんですよ。

 「英語は、ビザスクのメンバーにとっての第一言語ではないから、間違えたりもするし、誤解しちゃったりもする。でも、誤解して疑心暗鬼になって、なんでも悪い方に捉えるのはよそう。何か疑問に思ったときは、質問した方がいい。そうしたら誤解がなくなるから」って。そんな風に、コミュニケーションを大事にする姿勢や、信頼を大事にする姿勢が、コラボレーションをうまく成り立たせてくれるのかなと思います。

2022年は、試運転から「本格展開」に

——2022年はどのように連携を強化して、グローバル展開を進めていくのか教えてください。

ケビン氏 : 米国はすでに来期の予算策定中で、いかにお互いのシナジーを創出して売上を拡大していくか、戦略を立てているところです。たとえば、Colemanのクライアントを日本にも提供していく、同時に日本のチームが米国など海外のエキスパートをより活用できるようにするなど、お互いに可能性を広げていけるようアクションしていきたいです。

 また、日本企業からの海外調査は人気があることが分かったので、サーベイのサービスもさらに強化していきたいと考えています。そして2022年は、日米の統合計画をさらに進めていく予定です。

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端羽氏 : 2021年11月以降、コラボレーションしやすいところから順次、人を介したオペレーションで進めてきて、これはしっかりやれると証明できました。私も今後は、コラボする領域を広げていきつつ、もっと深くコラボしていきたいと思っています。

 そのためには、いま2つのツールを並行して使用していますが、統一のプラットフォームにするなど、テクノロジーに投資していきたいです。この業界は効率やスピードが求められるので、統合した方がいいところは統合を進めて、オペレーションの効率化を図り、2022年は試運転から本格展開へと加速していきたいですね。

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