私たちは子どもの頃から、多くのダメ出しをされて育ってきている。「気が利かないなあ」「もう少し優しくできないの?」「だからダメなんだよ」……。相手は善意から言っているのかもしれない。しかし、これで「直った」人はどのくらいいるだろうか?
心理学で言うと、ダメ出しは、問題の原因を追求して直そうとする「原因論」のアプローチに当たる。一方、本書が推奨し、アドラー心理学で用いられるのは「目的論」だ。目的論は「悪いところの反対」に意識を向けて、それを強化するという方法である。「気が利かない」を「おおらか」に言い換えたり、「あの時、席を譲ってくれたね」と、「優しくしてくれた」場面を探して伝えたりする。アドラーによると「意識した部分は強化される」ため、良い部分にスポットを当てることによって、いち早く問題解決に近づくことができる。
上記はアドラー心理学のほんの一部であるが、これだけでも、なんとなく前向きな気持ちになれたのではないだろうか。アドラー心理学では、客観的事実よりも当事者の主観に重きを置く。本人が「どう感じたか」に寄り添い、共感し、幸せになる方向へ意識を向けていくのである。
本書ではアドラー心理学と幸福学の二側面より「どうしたら幸せに生きられるか」をわかりやすく説いている。自分自身の性格、人間関係、ビジネス、子育てなど、身近な悩みや問題にすぐ使える応用力抜群の1冊だ。ぜひページをめくって、幸せな生き方に役立てていただきたい。
今回ご紹介した「アドラー心理学×幸福学でつかむ!幸せに生きる方法」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。
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