「Bored Ape Yacht Club」は世界で最も名高いNFTコレクションの1つだ。「NFT」が「名高い」などと聞くと笑ってしまうかもしれないが、人気タレントのJimmy Fallon氏、プロバスケットボール選手のSteph Curry氏、ラッパーのPost Malone氏などのスターも所有している。現在、Bored Ape Yacht Club NFTの最低価格は50イーサ(約20万ドル)ほどだ。
ある人が米国時間12月11日にBored ApeのNFTを3066ドルで販売したというのがどれほどの気の毒なことか、分かってもらえるだろう。
原因は、単純な誤入力だった。所有者のMax氏(ユーザー名「maxnaut」)は、Bored Apeを75イーサ、つまり約30万ドル(約3500万円)で売りに出すつもりが、誤って0.75イーサでリストしてしまった。意図した価格の100分の1だ。
このNFTは瞬時に購入された。そして、すぐに約25万ドル(約2800万円)で再度売りに出されたという。取引はボットによって実行されたようだ。ボットは、まさに今回のような状況を利用するために、NFTが一定以下の価格で売りに出された場合に瞬時に購入するようにコーディングすることができる。
Max氏は筆者に対し、「どうして起こったかというと、恐らく集中力が欠如していたのだ」と話した。「私は毎日多くのアイテムをリストする。ただ、適切に注意を払っていなかっただけだ。マウスをクリックしてすぐ誤りに気付いたが、ボットが8イーサ超(約3万4000ドル)のガス手数料で取引を実施した。そのため、私がクリックをキャンセルできるより前にスナイプされた。こうして25万ドルが消えた」(Max氏)
誤入力事件は従来の金融セクターでも散発的に発生するが、すぐに警告されれば、ほとんどの金融機関はこれらの取引を停止する。一方、仮想通貨(暗号資産)やNFTは分散化されるように設計されているため、取引を取り消すには基本的に購入者の善意に頼る必要があるだろう。
「この業界はとても新しく、あなたのミスであろうと技術のせいであろうと、悪いことは起こるだろう」とMax氏は語った。「手に負えない事態になったのなら、忘れて先に進むことだ」(Max氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス