大日本印刷(DNP)は、ECサイトや医療・化粧品業界などでの利用を想定し、画像の色をPC上で製品本来の色調に補正するソフトウェアを開発したと発表した。発売は、2022年1月5日。
同ソフトは、同社などが提供する小型のカラーチャート(CASMATCHなど)を被写体と同時(もしくは同じ条件下)で撮影し、同ソフトを搭載したPCで画像データを処理することで、カラーチャートの色を基準に、自動計算で色補正用のプロファイル(解析結果)を生成。撮影した画像を表示する際に、同プロファイルを適用と、PC上でより正確な色に補正できるようになる。
コロナ禍をきっかけのひとつとして、オンラインでのショッピング・医療・教育など、非対面でのコミュニケーションのニーズ拡大が加速している。しかし、撮影時のカメラの性能や光の影響などによって、本来の色調そのままに撮影することが難しく、個々の条件に合わせて補正するなど、技術を要するといった課題が発生している。
こうした課題に対して同社は、色の基準となるカラーチャートのデータと、撮影した画像データを照合して解析。補正用のプロファイルを自動生成し、補正後の画像を画面に表示するPC用のソフトウェアを開発した。
なお、同社は、印刷を通じて培ってきた正しい色を再現する技術・ノウハウを生かし、約60年にわたってカラーチャートを開発・提供している。たとえば、1960年代初頭のカラーテレビの誕生に合わせて開発したカラーチャートは、現在もテレビ放送の業界スタンダードとして使用されている。
また、テレビやデジタルカメラなどの色の基準となる「テストチャート」をはじめ、画像補正のモジュールやソフトウェアなどを提供。従来のHDTV(High Definition Television)放送方式の国際規格BT.709に加え、高精細画像4K・8Kの新国際規格BT.2020に対応したテストチャートの開発も完了している。
今回開発した同ソフトは、これらの色補正に対する技術・ノウハウを活用しているという。
同社によると、主に化粧品関連メーカーのほか、ECサイトやオンライン診療等を扱うサービス・プロバイダなどに同ソフトを販売。2022年度からは、クラウド展開も行うことで事業を拡大していくとしている。
また、8K以上の高精細画像や広色域画像の研究開発を推進。獲得した技術・ノウハウを今後のオンラインショッピングや診療などに生かして行くという。
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