資生堂は11月17日、研究開発(R&D)の強化を目的に、独自の研究開発理念として、新たに「DYNAMIC HARMONY」を制定したと発表した。
5つの研究アプローチを柱に据えることで、社内外に向けて資生堂R&Dの強みと独自性を可視化。多様なバックグラウンドをもつ世界中の研究員が、能力を最大限発揮することを狙う。
(1)肌の内外から美しさを引き出す「Inside/Outside」 、(2)期待を上回る圧倒的な機能性と日本ならではの徹底した品質へのこだわりを高いレベルで両立する「Functionality/Japan Quality」 、(3)潜在的・主観的な感性や気持ちを客観的なサイエンスで解き明かし、美や心地よさの感覚・体験を新たに創り出す「Science/Creativity」 、(4)人や社会や地球環境への尊重・共生と、効果や上質なデザイン、感触などから感じる満足感を両立する「Premium/Sustainability」、(5)顧客データを活用し、ひとりひとりに最適な美を提供する「Individual/Universal」という5つの研究アプローチを柱としている。
同社では、「Inside/Outside」のアプローチで進められた技術として、国際医療福祉大学 医学部形成外科学 主任教授の松崎恭一氏と自治医科大学、生理学研究所との共同研究による皮膚解析技術「4Dデジタルスキン」を開発した。
4Dデジタルスキンは、皮膚が変形する過程を内部構造まで超高精細にコンピューター上に再現する技術。これにより、皮膚の変形で起きるシワやたるみの根源的な原因を解明し、対応手段の開発を飛躍的に進めることが可能となった。
また、皮膚で起きる生命現象にInside(同技術)とOutside (独自の顔形状解析技術)から迫るアプローチとなり、この異なる観点の融合により、顔の老化に関する革新的な価値を創出していくという。
加えて、2018年に米国のベンチャー企業「Olivo Laboratories」より取得した「Second Skin」技術を更に進化させ、従来の化粧品の枠を超えたビューティーケアの可能性を見出すことに成功したという。同技術については、「Functionality/Japan Quality」のアプローチで研究を進めている。
これまでに、Second Skin技術による「目袋の即時形状補正効果」については発表されていたが、今回新たに「頬のたるみ(ほうれい線・マリオネットライン)の即時形状補正効果」を実現。さらには、「連用によるたるみ・シワ改善効果」「薬剤浸透促進効果」など、メイクアップ効果に留まらない効果を確認した。
圧倒的効果と手軽な使いやすさを両立し、今後も肌悩みの即時カバー機能や紫外線防御機能、使用部位の拡大など、これまでにない新たな価値の追求を続けていくという。
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