“売らない小売”で注目を集めているシリコンバレー発の体験型ショップを運営するb8ta Japan(b8ta)は、国内3店舗目となる「b8ta Tokyo – Shibuya」を11月15日に正式オープンする。プレス向けに先行公開した。
b8taは、2020年8月に有楽町、新宿マルイ本館の2店舗をオープンしてから1年あまり。新たに、渋谷駅から徒歩約1分、宮益坂下交差点という好立地にオープンする。3店舗目のコンセプトは、「より進化した体験型ストアを見据えた実証実験店舗b8ta 1.5」だ。
売り上げによるマージンはなく、月額の出品料のみで参加できる。これまでと同様に月額30万円で、最低契約期間は6カ月だ。店内には22個のAIカメラが設置されており、出展者は店内における来店者の行動データを追いかけて可視化し、どういった年齢、性別の人がその商品に立ち止まったかなどを、自社の製品開発やマーケティングに生かせるのが特長だ。
ベータジャパン CEOの北川卓司氏は、「来店者に新しい出会いをつくる。見たことがない商品との出会いがわれわれの売り。何のお店なのかと思ってもらえればやった価値がある」と説明する。2店舗はこれまでに約45万人が利用。1150万回のインプレッション(来店客と商品/サービスとの出会い)があったという。
渋谷店では、b8taのビジネスモデルであるRaaS(Retail as a Service)をさらに進化させるとし、(1)店舗前の人流データの獲得、(2)カフェスペースを設置と食品カテゴリーの拡充、(3)店内での体験をリッチにするアプリの開発、(4)フレキシブルなイベントスペースという4つの新しい取り組みを実施する。
店舗前の人流データの獲得は、デンソーウェーブとの協働によるもので、11月15日から1年間、店頭マーケティングの実証実験を開始する。カメラ画像を使用せず、自動運転でも使われるレーザー光を使って測定できる「LiDAR(ライダー)」を活用する。
右から左に何人が動いたかはわかるが、現状は男女かどうかもわからないという。ローデータを保存せず、数値化して保存し、個人としての特定はできないため、公共性の高い場所であってもプライバシーを侵害せずにマーケティングデータを収集できると説明する。
b8ta Tokyo – Shibuyaの店舗前半径約15mの人の流れも含めて継続的に測定することで、時間帯に応じた来店者の傾向変化など幅広いデータを測定するのが狙いだ。実証実験を通じて、店舗内外における人流データの有用性を確認し、幅広いデータ活用シーンを生み出してくことで店舗マーケティングの高度化に活用するとしている。
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