NTTドコモは11月10日、10月14日に発生した通信障害の対応状況に関する説明会を開催した。
事故翌日の10月15日に続いての説明となり、発生した通信障害の全体像や、再集計した結果判明した影響規模などを説明。
約2時間20分、100万人で“利用できない”状況が続いた後、“利用しづらい”状況が約27時間6分、計29時間6分続いたことなどを明らかにした。
10月15日時点で200万人と公表した影響規模は、再集計したところ音声で約460万人、データで830万人以上へ影響があったと伝えた。
冒頭、NTTドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長の小林宏氏は、事故の原因を改めて説明。
携帯電話は、あらかじめ各端末との「位置登録」を実施、端末の所在エリアを把握したあとに利用可能となるが、IoT端末の位置情報サーバーを新設備へ切り替える際、不具合が発生。旧設備への切り戻しが必要になったが、IoT端末に限定した位置登録規制ができない仕様となっており、4G端末の位置登録規制が必要となったという。
また、回復に関する情報発信について、“利用できない”状況の解消を「回復」と表現したことについても謝罪。小林氏は、「お客様目線での情報発信ができていなかった」とコメントした。
ドコモは同日、一連の障害に関する再発防止策を発表。加えて、「重大な事故」として総務省に報告したことや、8人の役員が報酬を自主返上することなどを伝えた。
具体的には、同社の代表取締役社長を務める井伊基之氏が月額報酬の20%を1カ月、代表取締役副社長の丸山誠治氏、廣井孝史氏、田村穂積氏の3人が月額報酬の10%を1カ月、常務執行役員 法人ビジネス本部長 坪内恒治氏、R&Dイノベーション本部長 谷直樹氏、ネットワーク本部長 小林宏氏の3人が月額報酬の10%を1カ月、執行役員 ネットワーク開発部長 音洋行氏が月額報酬の10%を1カ月自主返上する。
さらに、今回の利用しづらい状況というものは返金などの対象になるのか、また、ユーザーへ何らかへの補償を検討しているかという質問に対して、「契約約款には24時間サービスが停止した場合は返金の対象になるという記載があるが、今回の“利用しづらい”状況は、“利用しづらいができる状態”だと認識している。ポイント(還元)といった対応も含め、今のところは考えていない」(小林氏)とコメントした。
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