S&P Global Market Intelligenceが米国時間11月8日に発表した「2022 Banking Industry Outlook Report」によると、米国のフィンテック企業は2021年第2四半期(4〜6月期)に、194件の取引でベンチャーキャピタルから前年同期比約70%増の約75億ドル(約8500億円)の資金を調達したという。
同レポートによれば、モバイル決済やデジタル融資、投資管理といった特定分野で産声を上げた消費者向けフィンテック企業は、製品スイートを徐々に拡大し、顧客のさらなる囲い込みを目的とした製品ラインや機能を追加して、市場シェアを伸ばして収益性を上げてきたという。
最も多くの資金を調達したのは決済分野の企業だ。米国以外の地域でも、デジタルの普及が進んだことでフィンテック企業による堅調な資金調達につながった。たとえば、アジア太平洋地域を拠点とする株式非公開のフィンテック企業は、2021年前半に新型コロナウイルスのパンデミック以前を超える資金を調達し、前年同期の2倍を上回る56億ドル(約6340億円)を獲得した。
また、パンデミック中のロックダウンでデジタルファイナンスの導入が進み、フィンテック企業の中には拡大計画を前倒ししたところもある。顧客が取引処理や給付金受給のためにデジタルチャネルへ移行したため、PayPalやSquareの「Cash App」のような決済サービス提供業者は、パンデミック中の早い時期に新規ユーザーが大幅に増加した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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