Amazonの低軌道衛星を使った衛星ブロードバンド計画「Project Kuiper」は、世界各地でインターネットを利用できない地域などで、安価で低遅延の高速インターネットアクセスを提供することを目的としている。過疎地などでインターネット接続を提供する切り札のようにとらえられることの多い衛星インターネットは、Amazonなどの計画によって、待望の変革を実現しようとしている。
Amazonは米国時間11月2日、最初の衛星2基を2022年第4四半期に打ち上げることを明らかにした。7月には、Project Kuiper用の低軌道衛星の打ち上げについて、米連邦通信委員会(FCC)から承認を得ている。同社は3236基の衛星を打ち上げる計画だ。
2つの衛星「KuiperSat-1」「KuiperSat-2」が、ABL Space Systemsの新型ロケット「RS1」で、低周回軌道に運ばれる予定だ。Amazonはこれらの衛星を「開発プロセスにおける重要なステップ」だとしており、今後の衛星の打ち上げ、運用、性能を向上させるためのテストを可能にすると述べている。
この2基は「プロトタイプ」であり、家庭にインターネットサービスを提供するためのものではないようだ。実際、ミッションが終了すれば、KuiperSat-1とKuiperSat-2は軌道を外れ、スペースデブリとなるリスクを減らす追加措置を講じた上で、「大気圏で消滅」させられる予定だ。
Project Kuiper用衛星の打ち上げはエキサイティングなニュースだが、契約中のインターネットサービスプロバイダーを解約するのはまだ早い。Amazonは少なくとも578基の衛星を低周回軌道に投入した後、このサービスを消費者に提供する。それでも、最初の2基の打ち上げはこのプロジェクトにとって重要な節目であり、ブロードバンドのデジタルデバイド解消に向けた重要なステップとなるはずだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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