Facebook「Portal Go」レビュー:つかみ所のないバッテリー内蔵スマートディスプレイ - (page 2)

Molly Price (CNET News) 翻訳校正: 編集部2021年10月27日 07時30分

機能

 個人的には、最大の問題は機能にある。Portal Goは、市販されている他のタブレットやスマートディスプレイに比べて、できることがとにかく少ない。対応アプリが24個しかないので、この記事に全部を掲載できるほどだ。同じことをタブレットやAmazon Echoのスキル、Google Nest Hubの対応アプリやデバイスでしようと思えば、いくらスペースがあっても足りないだろう。以下は、Portal Goが対応しているアプリの一覧だ(アルファベット順)。

  • Alexa
  • BlueJeans
  • Browser
  • Calendar
  • CBS News
  • Deezer
  • Facebook Live
  • Food Network
  • GoToMeeting
  • iHeartRadio
  • Newsy
  • Pandora
  • Photo Booth
  • Plex
  • Red Bull TV
  • SideChef
  • Spotify
  • Story Time
  • Tidal Music
  • Watch
  • Webex Meetings
  • Workplace
  • Workplace Live
  • Zoom

 このリストを見て奇妙に感じるのは、Portalが対応していないアプリのことだ。Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppはネイティブアプリがないため、ワンクリックで起動できない。これらのアプリの機能は、Portalが提供する体験自体に埋め込まれている。例えばInstagramのアカウントと連携すれば、フィードの写真をPortal Goのアンビエント画面に表示できる。MessengerのチャットルームはPortalの「Contacts(連絡先)」アプリに作成可能だ。PortalのセットアップにはFacebookではなくWhatsAppを使うこともできる(ただし、「ヘイ、Portal」を利用した音声コントロールは無効になる)。

 この点をFacebookの担当者はこう説明する。「Portalの中心的な用途はビデオ通話であり、ユーザーが家族、友人、同僚と簡単につながることができるようにすることです。もちろんPortalのウェブブラウザを使えば好きなFacebookアプリにアクセスできますが、FacebookやInstagramを使うときは他のデバイスを使う人の方が多いのではないでしょうか」

 なるほど、それはありそうだ。私自身、片手で持てない大型ディスプレイでInstagramをスクロールしながら見たいとは思わないし、WhatsAppのメッセージへの返信をタッチスクリーンで1文字ずつ打ち込みたいとも思わない。もしすべてのSNSアプリをPortalにまとめられると思っている人がいるなら、考え直した方がいいだろう。

 今後のアップデートでアプリが追加される可能性はある。実際、他のスマートディスプレイメーカーは少しずつ対応アプリを増やしてきた。というわけで今後の可能性は十分にあるにせよ、少なくとも現時点でPortal Goで動かせるアプリは上に記載したもののみだ。

ビデオチャット

 ビデオチャットにはZoom、Webex、BlueJeans、GoToMeeting、Workplaceが利用できる。Facebookによれば、年内にMicrosoft Teamsにも対応予定だ。ビデオ通話をする場合は「Contacts(連絡先)」アプリでMessengerルームを作成する。ルームには最大7人を追加可能だ(自分を含めて8人まで)。連絡先はPortalのセットアップ時に使用したWhatsAppまたはFacebookのアカウントから取得される。通話の相手となる友人や家族がPortalを持っている必要はない。

 ビデオチャットについては、Portal Goの拡張現実(AR)機能と、「Story Time」などのアドインが強力なセールスポイントになるだろう。ビデオ通話中に「Experiences(体験)」ボタンをタップすると、楽しいフィルターや特殊効果を追加できる。「Photo Booth」アプリから安全なエフェクトやフィルターを選べるほか、「Facebook Watch」のコンテンツをストリーミングする際にStory Time、Photo Casting、Watch Togetherの機能を利用できる。

Portal Go
カメラに映った語り手に、フィルターや特殊効果をつけることも可能だ
提供:Molly Price/CNET

 通話中にStory Timeを開くと、用意された何十種類もの楽しいストーリーから好きなものを選んで読むことができる。カメラに映った語り手に、フィルターや特殊効果をつけることも可能だ。コンテンツはDr. Seuss、Pete the Cat、Llama Llamaなどの人気シリーズ、Todd Parr氏、Jon Burgerman氏らの作品に加えて「3びきのこぶた」、「Itsy Bitsy Spider(ちっちゃなクモ)」、「赤ずきん」等の名作童話もそろっている。このインタラクティブ機能は本当に楽しいので、もっと良いデバイスで利用できたらと思う。

PortalとAlexa

 Portal GoはAlexaを搭載しているので、音声やAlexaアプリ経由でコントロールできる。アプリを開くと、おなじみのAlexaダッシュボードが表示され、音楽、デバイス等のメニューオプションが表示される。最近Alexaに特殊効果やサウンドを使ったハロウィーン限定のルーティン(定型アクション)が登場したが、こうしたイースターエッグ機能の一部はPortal Go、Portal+では動作しなかった。画面は正しく表示されるが、音声に不具合があり、ほとんどの内容がスキップされてしまう。ささいなことかもしれないが、Amazonのディスプレイでは遭遇しないトラブルだ。

Alexaダッシュボード
Alexaダッシュボード
提供:Molly Price/CNET

 前モデルと同様、Portal Goは「ヘイ、Portal」に対応し、Alexaも搭載している。これはややこしいし、「待てよ、どちらの音声アシスタントに頼めばいいのだろう」と感じることもある。

 「ヘイ、Portal」コマンドは通話や音楽再生、スリープモードへの移行や簡単な質問への回答などに対応できる。つまり、「ヘイ、Portal」(「ヘイ、Facebook」でも反応する)とAlexaには、一般的な質問への回答やリマインダーの設定、スマートホーム機器のコントロール、その他Alexaがこなすと思われるようなことについて、一部役割が重複しているのだ。

 スマートデバイスとしては、ユーザーが使おうとする際に余計な思考や意思決定をさせられるような設計は望ましくない。2人のアシスタントがいるような状態は直感的とはいえず、便利さに欠ける。

プライバシー

 Facebook製のハードウェアであれば何であれ、同社のデータやプライバシー関連の失敗にまつわる現在の流れと無関係ではない。Portalのプライバシー機能に関する主なポイントは以下の通りだ。

 Portalデバイスは「ヘイ、Portal」のウェイクワードに聞き耳をたてており、このフレーズを聞くとFacebookに短いトランスクリプションと録音を送信する。保存された「ヘイ、Portal」と「ヘイ、Facebook」から始まるやりとりはFacebookのサーバーに最大3年間保持され、「ウェイクワードと誤認された言葉」は検出から90日以内に削除される。

 音声の録音は「設定」かFacebookの「アクティビティログ」から削除できる。また、やりとりの録音そのものをオフにすることもできるが、デフォルトではオンになっている。PortalをFacebookではなくWhatsAppだけに接続する場合、WhatsAppのエンドツーエンド暗号化により、「ヘイ、Portal」は機能しないようだ。

 デバイスの上部にあるミュートボタンをタップするか、カメラの物理カバーをスライドさせることで、カメラとマイクを無効にできる。赤いライトは、これらの機能が無効になっていることを示すものだ。Portal GoのカメラはAI技術を使っており、これはFacebookのサーバーではなくローカルで処理される。Portal Goのカメラは顔認識技術を採用していない。

上部の赤いライト
赤いライトはカメラとマイクが無効になっていることを示す
提供:Molly Price/CNET

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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