そして、今回の発表のもう1つの目玉は、Surface Duo 2だ。2019年にMicrosoftがニューヨークで行なった記者会見で参考展示された同社初のAndroidベースのスマートフォンとなる「Surface Duo」は、特徴的な2画面折りたたみ式のディスプレイを搭載。同社のSaaSベースの生産性向上ツール「Microsoft 365」のAndroidアプリを搭載し、PCのコンパニオンデバイスとして生産性を向上するためのスマートフォンと位置づけられた製品で、2020年に製品として投入された。
Surface Duo 2はそのSurface Duoの第2世代となり、画面サイズがやや大きくなり(開いた状態で8.1型から8.3型に)、SoCがSnapdragon 855からSnapdragon 888へと2世代分も新しくなり性能が大きく向上している。そして、Surface Duoの弱点となっていたフロント/リア兼用のシングルカメラから大きく改善されて、フロント1カメラ、リア3カメラという現代のスマートフォン風のデザインへと変更されている。リアカメラは広角(27mm、1200万画素、f/1.7、OIS)、ズーム(51mm、1200万画素、f/2.4、OIS)、超広角(13mm、1600万画素、f/2.2)という3つのレンズを備えており、他のフラッグシップAndroidスマートフォンに匹敵するスペックになっている。
Microsoftは2020年にこのSurface Duoを米国など限られた市場で販売を開始したが、日本などの市場では販売してこなかった。Microsoftは新しい製品は米国でのみ販売し、日本などのグローバル市場では販売しないことはこれまでにもあった。特にスマートフォンはその典型例で、Windows 10 Mobileを搭載したスマートフォンは米国や欧州などでだけ販売され、日本などでは提供されなかった。
しかし、今回発表されたSurface Duo 2ではその状況は大きく改善されそうだ。Surface Duo 2は米国で提供されるのはもちろんだが、米国外の市場もターゲットにされており、現時点では正式には発表されていないが、この中に日本市場が含まれる可能性は高い。Microsoftとしては最初の製品は試験販売の意味もあって、米国市場に集中して出したが、ある程度見通しが立ったため、他の市場にも積極的に投入していく、そうした役割を持つのがSurface Duo 2となる。
現時点では日本市場に投入される可能性が高いという状況だが、どのような形で販売するのかは明らかにされていない。通信キャリア経由で販売されるのか、それともSIMフリー機としてMicrosoftが直接販売するのか——。通常、日本マイクロソフトは米国での発表がなされた後に同社のウェブサイトなどを更新し、日本での販売計画などを明らかにするので、そうした日本マイクロソフトの正式な発表を待ちたい。
その後、日本マイクロソフトのウェブサイトにて、2022年初頭に発売予定であることが明らかにされた(9月23日1時30分追記)。
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