暮らすと泊まるをアプリで切り替えNOT A HOTELが販売開始--8.5億円の資金調達も

加納恵 (編集部)2021年09月28日 09時57分
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 住宅をホテルとしても貸し出せる、新しい形の住まい「NOT A HOTEL」が本格始動する。9月28日には、オンラインストアを公開し、第1弾となるフラッグシップモデルの販売を開始。同日には、プレシリーズAラウンドで8億5000万円の資金調達を実施したと発表した。

オンラインストア
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オンラインストアでは、1棟(室)単位だけではなく、年30日単位で購入できる「シェア買い」も可能
オンラインストアでは、1棟(室)単位だけではなく、年30日単位で購入できる「シェア買い」も可能

 NOT A HOTELは、4月に設立したスタートアップ。SaaS型Eコマースプラットフォームを展開していたアラタナの設立者で、ZOZOテクノロジーズ取締役も務めた濵渦伸次氏が立ち上げた。自宅や別荘として購入した住居を、旅行や出張など、家を空けるタイミングで、別の人にホテルとして貸し出せることが特徴。販売はオンラインストアから「今すぐ購入申込み」を選択すると購入できる。

 第1弾として販売するのは、那須、宮崎の計8室。「1棟(室)単位だけではなく、年30日単位で購入できる『シェア買い』もできるのが特徴。現在、Eコマースでも流行っている仕組みを住まいにも取り入れた。新型コロナの影響もあり、住宅や別荘は今一番売れているといってもよい時期。しかし、別荘は年間で200日程度は使われていないという調査結果もあり、それはすごくもったいないなと。だったら最初から30日分だけ買えるほうがいいはずと、サービス初期の段階から考えていた」と濵渦氏はシェア買いについて説明する。

NOT A HOTEL 代表者の濵渦伸次氏
NOT A HOTEL 代表者の濵渦伸次氏

 気になるのは、1棟購入では億単位になる金額ながら、オンライン購入ができる点だ。「確かに今回の物件は非常に高額だが、今後は住宅や別荘をオンラインで購入すること自体がスタンダードになってくると思う。NOT A HOTELではこのぐらいの金額でもオンラインで売れることを証明していきたい。これが実現すれば、不動産や住宅、ホテルといった分野のデジタル化が大きく前進するはず」と見解を示す。

 今回販売した物件は非常に高額だが、「これはスタート。今後はシェア買いであれば1000万円を切るくらいの価格帯も将来的には見込んでいる。リモートワークの普及が大きく進む中1000万円程度で、第2の家を買えるようになると、市場自体が変わってくるはず」と今後を見据える。

NOT A HOTEL NASU
NOT A HOTEL NASU
NOT A HOTEL AOSHIMAの室内。オーシャンフロントの全6室を用意
NOT A HOTEL AOSHIMAの室内。オーシャンフロントの全6室を用意

 今回の資金調達では、オープンハウス、オリエンタルランドイノベーションズ、GO FUND、マーキュリアインベストメント、BREWといった新規投資家が名を連ねる。「オープンハウスは都心の住宅を手掛けていて、NOT A HOTELは地方が中心。都心と地方の2拠点生活を後押しするような取り組みができるはず。一方で、オリエンタルランドイノベーションズは、千葉の舞浜を中心に街を作っている。私たちが作ろうとしているのも新しい暮らしの形。そういうところに共感していただけたように思う」と、資金調達にとどまらない関係を築く。

 今回の資金調達を経て、NOT A HOTELの累計調達額は18億5000万円に達した。「今までは土地の仕入れなどに充ててきたが、今後はパートナーやフランチャイズ展開などの資金として考えている。実現したいのは、小口化されたホテルを売買できるようなセカンダリのマーケットプレイスを作ること。よい物件を購入し、よい運営をすれば、ホテルや住宅もきちんと売買できる市場を作っていきたい。金融商品ほど利回りが良いわけではないが、その分楽しめる資産として考えると非常に価値があると思っている。ライフスタイルにあわせて、宿泊して楽しんだり、売却して次の人に引き継ぐような楽しみ方もできると思っている」と新たな展開を示す。

 「今までのホテルは、稼働率を予想し、事業計画書を立てて、宿泊者が来てくれるのを待つビジネスモデル。これに対しNOT A HOTELは、パースの状態で販売して、売れて建てるときには投資回収ができている。従来のビジネスモデルとは真逆の投資回収をするため、いろんなチャレンジをして、面白いホテルがどんどん作れる」と話す。

 平行して「福岡ではすでにフライチャイズ展開をしており、NOT A HOTELのブランドとテクノロジーをデベロッパーに提供している。私たちで開発するだけではなく、仕組みを提供することでデベロッパーの新たな事業の1つにしていきたい」とB2B向けのビジネスモデルも進める。

 事業スタートから約半年で販売までこぎつけたことについて濵渦氏は「最初の物件としては、かなり高額になってしまったが、これで販売できたら面白いかなと。億単位のものをクリックで購入するという『普通はやらない』という部分を私たちがやっていこうと思っている。そうしたできないと思う部分に取り組みながら、一方で投資家としてオープンハウスのようなハウスメーカーに入っていただけたのは面白い部分。住宅に対して全く違うアプローチをしているので、その部分を学びながら、サービスとして育てて行きたい」と話した。

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