新しいタイプのアプリが、ある程度のクモ恐怖症に悩まされている人を助けてくれるかもしれない。
スイスのバーゼル大学の研究チームが、クモの恐怖を軽減できるよう支援するための拡張現実(AR)アプリ「Phobys」を開発している。「暴露療法」に基づき、クモ恐怖症の人が安全かつコントロールされた状況で恐怖心と向き合えるようにすることを目指したものだという。
アプリに関する研究論文の主執筆者であるAnja Zimmer氏は、現地時間9月20日に発表した声明で、「クモに恐怖心を持つ人は、本物のクモよりバーチャルなクモに向き合う方が簡単だ」と述べている。この論文は8月に「Journal of Anxiety Disorders」誌で公開された。
研究チームは、クモに恐怖心を持つ66人の被験者に対して2週間の臨床試験を実施した。被験者らは、アプリを使ってARのクモを何度も目にする人たちと、アプリが介在しない対照群に分けられた。その後、すべての被験者は、透明の箱に入った本物のクモにできるだけ近づくようにという指示を受けた。
バーゼル大学によると、「Phobysを使ってトレーニングしたグループは、対照群の人たちに比べて、本物のクモがいる状況で感じる恐怖心や嫌悪感が有意に減少し、クモにより近づくことができた」という。
Phobysは「16歳以上で、クモに対して軽度の臨床的に重症ではない恐怖に困っている人に適している」という。研究者は、「深刻な恐怖症」に苦しむ人に、Phobysを独自に利用することは推奨しないとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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