警察による一般市民を対象とした顔認識人工知能(AI)の利用は、依然として論争の的となっている。だがAmazonは、顔認識技術「Amazon Rekognition」のテクノロジーに取り組んでおり、画像や映像に映る有名人を認識する機能などを提供している。
Amazonは、米国の警察などによるRekognitionの利用を2020年6月から1年間停止していたが、2021年5月には、十分な規制が導入されるまでこの措置を延長することを明らかにした。また、IBMはこの事業から完全に撤退しており、Microsoftも連邦法が成立するまで警察に販売しないとしている。
Amazonは、Rekognitionで有名人の認識機能を提供している。このサービスはメディア企業などを対象に提供されている。Amazon Web Services(AWS)によれば、「機械学習(ML)を利用し、画像や映像に映っている数多くの有名人を自動的に認識」するという。
AWSはこのサービスをアップデートし、検出精度を向上させるとともに、検出対象となる世界の有名人を増加している。また、有名人のプロフィールに性別、表情、笑顔という3つの新しいメタデータを追加した。例えば、写真や動画に映っている特定の著名人が笑っている画像を検索できるようになったという。人が時間をかけて写真にタグ付けしなくても、AWSが大規模なメディアのアセットリポジトリーに対して自動でタグ付けする。
Rekognitionで動画から顔や動作を検出する機能は2017年に発表された。「Amazon S3」に保存されているビデオから、物体、シーン、有名人、テキスト、動作、不適切なコンテンツなどを検出する、機械学習を利用したビデオ分析サービスだ。有名人の認識機能は、メディア企業などがメディアのタグ付けに要するコストを削減し、画像検索を容易にできるようにすることを約束している。
AWSは、「ビデオオンデマンド(VOD)、ストリーミング、ソーシャルメディアプラットフォームの動画で提供されている画像やビデオコンテンツの量が急速に増加し、メディア企業は自社のカタログを大規模に整理、検索し、十分に活用することに苦労している」と指摘する。
「同様に、ニュースチャネルは頻繁に、現在の出来事に対応し、特定の有名人の画像や動画を素早く見つける必要がある場合があるが、不十分なメタデータでは、適切なクリップを見つけるためにライブラリーを検索することはうんざりするような作業となる。スポーツの放送局も、試合やインタビューから適切な場面を素早く見つけ、ハイライトや特別なプログラムを作成することが難しい」(AWS)
有名人の顔認識機能は、米国、アジア太平洋、日本、欧州などのAWSリージョンで利用可能になっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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