米国では20の連邦政府機関が顔認識技術を使っているが、そのうち半数以上は職員が使っているシステムを把握していないことが、米会計検査院(GAO)の報告書の指摘で分かった。独自のデータベースを持つ機関もあるが、大多数ではClearview AI、Vigilant Solutions、Amazonなど非政府系の企業のシステムが使われている。
GAOは2015年1月から2020年3月にかけて、42の政府機関を対象に顔認識技術の利用状況を調査した。そのうち犯罪調査にこの技術を利用していると報告した14機関はすべて非政府系システムを採用していた。だがそのうち、使用システムを特定できていたのは移民・関税執行局(ICE)のみだった。
連邦捜査局(FBI)や郵便公社(USPS)などの6機関が、2020年5月のGeorge Floydさん殺害事件を受けた動乱の画像に対して顔認識技術を使ったと報告したほか、2021年1月6日の議事堂襲撃事件の画像にこの技術を使用したと報告した機関も3つあった。議事堂の事件では、FBIがデジタルメディア通報窓口を開設し、容疑者の特定に顔認識技術を利用した。
GAOは職員が使用しているシステムを特定する手順を構築するよう、各機関に勧告した。
法執行機関による顔認識技術の利用は議論の的となっている。こうしたプログラムが女性や肌の色の濃い人を誤認識し、手配写真と一致しているとの誤った判断を示すケースが不均衡なまでに多いとする報告書が発表されて以来、特にこの点が問題視されている。
米国ではサンフランシスコなど一部の都市が、政府機関による顔認識技術の利用を禁じたほか、Amazonも5月には法執行機関に対する画像分析サービス「Rekognition」の販売停止措置を延長した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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