スポーツの未来--人工知能がプロのコーチを超える日は来るか - (page 2)

Greg Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年07月30日 07時30分

 シナリオは、まずNFLのプレーを想定して評価された。

シナリオA

  • フォースダウン残り1ヤードで残り時間わずかという局面。AIはランプレーでファーストダウンを狙う戦術を指示し、具体的にランニングバックの番号を命じた。NFLスーパーファンの多くが異議を唱え、31.9%がここはクイックパスだろうとしている。しかしAIに賛同する割合も22.2%あり、ランニングバックのランプレーを支持した。
  • AIがこの勝利へのラストドライブで狙ったのは、逆転できる一か八かのタッチダウンではなく、同点になるためのフィールドゴールの距離を稼ぐことだった。フィールドゴールの距離を狙ったAIの判断については、スーパーファンの50.8%が賛成、49.2%が反対と、意見はきれいに二分された。

シナリオB

  • タッチダウン後、残り時間なしで1点ビハインドという局面で、AIはリスクの少ないエクストラポイントで同点を狙うのではなく、ツーポイントコンバージョンで逆転を狙うことを選択した。このときも、NFLスーパーファンの意見はきれいに割れ、賛成48.2%、反対58.8%という結果になっている。

 同じような判断は、プレッシャーの大きいNBAのシナリオでも見られる。

シナリオA

  • オフェンスで2点負け、残り10秒というところで、AIはセットプレーを選択。ツーポイントのジャンプシュートを指示した。NBAスーパーファンの多くがこの戦略に反対し、28.2%が試合に勝つにはセットプレーでもスリーポイントシュート狙いだと主張し、19.5%がスター選手のアイソレーションをするとした。それでも、セットプレーでツーポイントシュートと判断したAIを支持する意見も22.2%にのぼっている。
  • AIは、このシナリオなら最善の攻撃の選択肢はツーポイントだと判断し、特にジャンプシュートを選択した。これに対してNBAスーパーファンの意見はやや分かれ、引き分けを狙った(ツーポイント)AIに賛成が55.5%、反対が45.5%という結果だった。

シナリオB

  • こちらはディフェンス側のシナリオである。AIは相手チームのトップ選手からのボールをディナイして、ファウルなしでディフェンスすることを選択した。これに対して、NBAスーパーファンの意見は上位2つがAIに一致している(46.7%がボールのディナイを支持し、33.6%がファウルなしのディフェンスを支持した)。

 この調査の結果は、質問への答え方について必要な科学的評価を欠いてはいるものの、エピソード的には興味深い点を残している。士気を鼓舞するスピーチに関しては、GPT-3は意外にも優秀だった。だが、特定のプレーの指示となると、スーパーファンの目に映った限り、AIが最適な判断を下したとは言いがたいようだ。それでも、スーパーファンでさえ意見が2つに割れるようなシナリオで、AIは判断を下すことができた。これは、AIが人間に勝るかもしれない、ある点を示唆している。コンピューターは感情的にならないという点だ。大事な場面で、人間よりもキッパリと(しかも素早く)行動できる可能性がある。

 AIは、果たしてチームのヘッドコーチの代わりになるのか。近いうちにそうなることないだろう。では、テクノロジーが進歩して、人間と同等というしきい値に達した、または超えたときにはどうだろう。その答えは、昨シーズンの成績によって(あるいは今シーズンの成績次第で)違ってくるのかもしれない。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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