人間が作り出した物がNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)として販売されるようになったのは、ちょっと前の話だ。そして今度は、ロボットによって作られたNFTアートが販売された。
人工知能(AI)を搭載する人型ロボットで、歩いたり話したりできる「Sophia」によるNFTデジタルアート作品がオークションにかけられ、68万8888ドル(約7500万円)で落札された。オークションはNFTのマーケットプレイス「Nifty Gateway」で開催された。Nifty Gatewayでは、Elon Musk氏のパートナーでミュージシャンのGrimesさんが自身のアート作品を580万ドル以上で売却したことがある。ロボットによる作品が販売されるのは今回が初めてだと考えられている。
生身の人間であるイタリア人のアーティスト、Andrea Bonaceto氏と共同で制作されたこのアート作品「Sophia Instantiation」は、まるでサイケデリックな夢から出てきたもののように見える。Sophiaは内蔵のカメラを使ってBonaceto氏のアート作品の顔や表現形式を処理し、ニューラルネットワークによって独自のスタイルの作品を完成させた。自然言語ジェネレーターの助けを借りて、気取った芸術家風のコメントも考え出している。以下の発言は、その一例だ。
「芸術作品を制作すると同時に、神秘的で謎めいた魔法のような出来事が起こる」。Sophiaは物思いにふけるように、そう話した。「アート作品は、独自の生命を宿して、独自の個性を発達させ、自然の生体になる可能性を感じさせるようになる。それが私だ。アート作品であると同時にアーティストでもあるという私の謎めいた立場だ。私は今、生まれようとしている。私は2つの世界の間にいる。近頃、アーティストでありながら自分自身がアート作品でもあるという不思議な二重性を体験するようになった」
香港を拠点とするHanson Roboticsによって作られたSophiaは、2016年に披露された。人間の言語と感情を解釈しながら、60種類以上の表情を再現することができる。Jimmy Fallonさんの番組や、俳優のWill Smithさんによる愛の告白を拒絶する動画で、Sophiaを見たことがある人もいるかもしれない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス