スマートニュースの累計調達額が300億円超え--2021年6月の資金調達・評価額ランキング

 フォースタートアップスは7月9日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2021年1月から6月までを対象とした「国内スタートアップ資金調達額ランキング」を発表した。

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 それによると、6月のランキングでは2位だったクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を展開するSmartHRが1位に浮上した。同社は6月、Light Street Capitalをリード投資家に、既存株主・新規投資家を引受先とした第三者割当増資と新株予約権付社債による約156億円の資金調達を実施。今回の調達を通じて、人材基盤の形成や幅広いマーケティング活動によって安定した事業成長を進める方針。

 2位のスマートニュースは、登記簿から約142億円の新規の資金調達を確認。同社は2019年にシリーズEにおける総額100億円の調達を発表し、米国での事業展開を加速させる方針を提示。今回の調達により、同社の累計資金調達金額は300億円を突破した。

 8位のHeartseedは、iPS細胞由来の再生心筋により重症心不全患者の治療を目指す慶應義塾大学発のスタートアップ。2015年の設立以来、ミッションとして「再生医療で心臓病治療の扉を開く」を掲げ、心筋再生医療の1日も早い臨床応用に向けて取り組んでいる。

 6月には総額40億円の資金を調達し、累計資金調達金額は約82億円となっている。今回調達した資金は、iPS細胞由来心筋球HS-001の臨床試験や次世代開発品の非臨床試験、製造技術開発費用などに充て、HS-001の再生医療等製品としての国内薬事承認と早期の海外治験の開始を目指す方針。

 同じく40億円の資金調達を実施し、8位に新規ランクインしたユニファは、IoTやAIを活用した保育支援サービス「ルクミー」シリーズなどを提供するスタートアップ。日本における保育士不足やジェンダーギャップといった社会課題に対して、テクノロジーを活用することで保育者の検温や連絡帳記入などの業務負担の削減させ、保育者の時間と心のゆとりの確保に貢献している。これにより、子どもたちとの関わりに保育者が集中でき、保育の質の向上を確保できる環境作りを支援している。

 トップ20にランクインしている企業のうち、累計調達金額が100億円を超えている企業はSmartHR、スマートニュース、Paidy、Mobility Technologies、ネットプロテクションズホールディングス、ディーカレット、TBMの7社。また、設立5年以内のスタートアップは、ネットプロテクションズホールディングス、ディーカレット、ビットキー、Legal Force、アクセルスペースホールディングスの5社で、全社が25億円以上を調達している。

 6月のランキングから順位を2つ上げ、4位にランクインしたネットプロテクションズホールディングスは、シンガポール投資運用会社のPavilion Capitalから10億円の資金調達を実施。今後の東南アジア領域への進出を視野に入れ、事業拡大にむけたプロモーション活動の強化や新規機能開発などに対する財務基盤強化に注力していく方針だという。

スマートニュースの評価額が1916億円に

 同社では、7月1日時点での「国内スタートアップ評価額ランキング」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業は除外されている。

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 それによると、スマートニュースの評価額が1916億円に達し、ランキング2位に浮上。6月と比べ、評価額を約674億円伸ばしている。登記簿より約142億円の新たな調達と、5月に登記された情報と比べた際の株式取得価額の上昇を確認できたことが今回の評価額の増加につながっている。スマートニュースが評価額を伸ばしたことで、評価額1500億円突破企業は4社になった。

 ネットプロテクションズホールディングスは、6月より評価額を272億円伸長させ、12位にランクインした。同社が2021年6月に実施した、Pavilion Capitalを引受先とする10億円の第三者割当増資が今回の評価額上昇につながっている。今回の調達は、事業拡大に向けたプロモーション活動の強化および、新規機能開発などに対応するための財務基盤強化が目的だという。

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