タイトーとCRI・ミドルウェアは6月30日、タイトーが提供しているスマートフォン向け音楽ゲームアプリ「ディズニー ミュージックパレード」において、CRIが提供するサウンドミドルウェア「CRI ADX2」の新機能である「SonicSYNC(ソニックシンク)」を導入すると発表。スマートフォンで発生する、ユーザーが操作を行ってから音が鳴るまでの再生処理時間を限りなくゼロにする機能となっており、7月1日から行われる「ディズニー ミュージックパレード ハーフアニバーサリー」におけるアップデートとして実装する。
ディズニー ミュージックパレードは、ディズニーの音楽とともに、イルミネーションのような3D空間で再現されたディズニー作品の名場面をかけめぐる音楽ゲームアプリ。リズムにあわせて画面をタップするだけの簡単操作で、演奏が楽しめるものとなっている。
導入されるSonicSYNCは、ハードウェアと同期して即座に音声信号を生成することで、ソフトウェア処理の遅延時間をゼロとするもの。タップ検出などのハードウェアに起因する遅延のみとなり、タップしてから音が鳴るまでの遅延時間は約50ミリ秒という。ちなみに、グランドピアノの鍵盤を押してから音が出るまでの時間は40~60ミリ秒とされており、グランドピアノと同等レベルまで、スマートフォンのレスポンスを引き上げる機能となっている。
これにより、音の反応が特に重要なリズムゲームのほか、アクションゲーム、パズルゲーム、FPS(ファースト・パーソン・シューティング)など、操作に合わせて音が鳴るあらゆるゲームにおいて、ユーザーの没入感をより高めるとともに、軽快な操作感覚が得られ、新たな演出の可能性を広げることもできるとうたう。
両社はハーフアニバーサリー施策とあわせてSonicSYNCに関する説明会ならびに体験会を実施。SonicSYNCを導入した本作をプレイしてみたが、普段からスマホリズムゲームをプレイしている筆者からして、ハッキリとレスポンスの速さが感じられるものとなっていた。
CRI・ミドルウェア 取締役の櫻井敦史氏によれば、従来スマホの発音遅延の要因は、(1)タッチパネルがタップを認識する時間、(2)鳴らす音を準備する時間、(3)音をシステムに渡してから、実際に音が鳴るまでの時間の大きく3つがあるという。そのうちの(2)に該当する部分の時間をゼロにするシステムと説明する。
ことゲームにおいては音楽やSE、ボイスなど多数の音を鳴らしており、データの圧縮やエフェクトをかけるなど処理も多く、安定動作のために作った音を溜めておくのが一般的な手法。SonicSYNCでは、たくさんの音を鳴らすための一連の処理を、細かい時間で終わるように細かく分割し、その場で準備して鳴らすことができるようにしたものと説明する。
そして遅延時間の低減により、Bluetoothイヤホンを使用してのプレイについても実現度が高くなるという。従来、スマートフォン本体のスピーカーから直接再生される音と比較して、本体とイヤホン間での通信タイムラグがあることや、データ圧縮及び解凍のための時間も加算されるため、特にリズムゲームのようにタイミングが重要なゲームではプレイが困難と言えるほど遊びにくい傾向があった。
もちろんBluetoothイヤホンの遅延自体は変わるわけではないものの、音の準備時間がなくなったことによって、トータルな遅延時間が短くなることで、Bluetoothイヤホン使用時でもリズムゲームが遊びやすい環境ができやすくなり、Bluetoothイヤホンでも遊べるユーザー数が増えるものと見ている。
なお、ディズニー ミュージックパレードのハーフアニバーサリー施策について、SonicSYNCの導入のほか、ピクサー作品「トイ・ストーリー」ワールドが登場するほか、好きな★5ライドが1体選べる「ハーフアニバーサリー記念!選べる★5チケット」の全員プレゼント、「ハーフアニバーサリー デイリーボーナス」、フレンド機能のアップデートとそれにあわせたキャンペーン、「ハーフアニバーサリー記念セット」販売を実施する。また、7月22日20時からニコニコ生放送で配信予定の「『ディズニー ミュージックパレード』ハーフアニバーサリー特別生放送!」において、声優の堀江瞬さん、梶原岳人さん、高塚智人さんの3名が出演するとしている。
(C)Disney. (C)Disney/Pixar. Published by TAITO
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス