アップル、顔へ自動的にフィットするHMDで特許取得--バンドの長さをモーターで調整

 仮想空間に入り込める仮想現実(VR)ゲームは、没入感の高さが魅力だ。しかし、頭に装着したVRヘッドセットが安定せず、グラグラ動いてしまう状態だと、気が散ってゲームに集中できない。

 これに対し、Appleは装着用ベルトの締め付け方をモーターなどで自動調整するヘッドマウントディスプレイ(HMD)を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月15日に「HEAD-MOUNTED DISPLAY WITH ADJUSTMENT MECHANISM」(特許番号「US 11,036,054 B2」)として登録された。出願日は2018年8月31日、公開日は2019年3月7日(公開特許番号「US 2019/0072772 A1」)。

登録されたAppleの特許(出典:USPTO)
登録されたAppleの特許(出典:USPTO)

 この特許は、頭に装着するHMDにおいて、ベルトの締め付け方を自動的に調整する技術を説明したもの。締め付け方を制御することで、各ユーザーに合った適切な強さでHMD装着を可能にする。

この実施例では調整機構(507)が後ろ側に取り付けられている(出典:USPTO)
この実施例では調整機構(507)が後ろ側に取り付けられている(出典:USPTO)

 締め付け方の調整は、モーターなどの仕組みでベルトの長さを変えることで実現できる。ユーザーに合う締め付け方かどうかは、頭と接触した部分にかかる力を計測し、適切かどうか判断する。

モーターでベルトの長さを変える(出典:USPTO)
モーターでベルトの長さを変える(出典:USPTO)

 さらに、クレーム(請求項)では、HMDでユーザーに見せているコンテンツの種類と関連付けて締め方を調整するアイデアに言及している。この制御方法は、たとえばユーザーの動きが少ないであろうコンテンツの場合はやや弱く締め付け、動きが激しくなりそうなコンテンツだと強く締め付ける、といった用途に使えそうだ。

頭頂部へ装着するタイプのHMDにも適用可能(出典:USPTO)
頭頂部へ装着するタイプのHMDにも適用可能(出典:USPTO)

 なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]