Facebookの拡張現実(AR)への取り組みは、ビデオ通話の領域にも徐々に入り込みつつある。同社は米国時間6月2日、開発者会議「F8 Refresh」をオンラインで開催し、ビデオ通話時にARエフェクトやゲームプレイを共有する機能のサポートを拡大すると発表した。「Messenger」「Instagram」およびスマートディスプレイ「Portal」でこの新機能に対応するという。
MessengerやInstagramでは以前からARエフェクトを利用できたが、今後はマルチプレイヤー機能にも対応し、これにより1つのチャットやゲームで複数のユーザーが共通のエフェクトや体験を共有できるようになる。MessengerでのAR体験をクリエイターが先行して作成しており、同社はこうした事例を今週のうちに公開する計画だという。
現在、AR体験を多人数で共有できる機能の開発に取り組んでいるのはFacebookだけではない。Niantic、Snap、Microsoft、Google、Appleはいずれも、複数の仮想オブジェクトのレイヤーを、スマートフォンで共有されているリアルタイムのやりとりに重ねる方法について、独自技術やアプリの開発を推し進めている。しかし、開発者向けツール「Spark AR」によるFacebookのARの取り組みで興味深いのは、同社が今のところ独自のARヘッドセットを展開していない点だ。一方、同社の仮想現実(VR)デバイス「Oculus」はビデオ通話ではなくアバターを使って共有体験を実現している。最終的には、FacebookのVRとARの取り組みは連携するとみられており、その皮切りとして2021年内にスマートメガネがリリースされる可能性もある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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