KDDIは6月2日、フードデリバリー事業を展開するmenuと、資本業務提携契約を締結したと発表した。あわせて、menuが発行する株式の一部を取得し、持分法適用関連会社化。株式の取得額は50億円、出資比率は20%になるとしている。
menuは、ソーシャルゲームなどを手がけるレアゾン・ホールディングスのグループ会社として設立。2020年4月にサービスをローンチし、2021年からは本格展開を開始。47都道府県に進出しており、国内6万店舗の加盟店数をカバーしている。
KDDIでは、「au経済圏」の拡大を進めるべく、商品の購買などユーザーの意思決定の最初にauを選んでもらえるよう、コト消費によるリアルの接点を強化する。そのなかで、最も頻度が高い日常的なコト消費かつ、市場規模も大きい飲食業界にターゲットを集中。menuとの資本業務提携に至った。
同提携では、店舗拡大とID連携に注力する。au PAYの加盟店舗数は400万箇所にまで伸びているが、KDDIパーソナル事業本部 サービス統括本部 副統括本部長の多田一国氏によると、「まだまだ(店舗数を)詰めないといけない」状況という。menuも6万店舗で展開しているが、先行するフードデリバリー大手をキャッチアップするため、両社が協力して店舗を開拓することで効率を改善する。
また、ID連携については、店舗側のマーケティングに活用。分断されているフードデリバリー利用者と店内利用者の注文情報を結びつけることで、ユーザーの状況に合わせた商品・店舗のレコメンドが可能になるほか、ユーザー属性ごとの人気・不人気商品を可視化することで、新商品の開発にも役立てられるという。
相互送客にも力を入れる。au PAYとの連携では、ミニアプリを実装し、au PAYアプリ上からmenuにアクセスすることができる。もちろん、au PAYでの支払いにも対応する。また、auスマートパスプレミアムに新規入会することで、最大4000円分のクーポンを配布。既存ユーザーであれば、最大3000円分のクーポンが利用できる。詳細は今後発表としているが、7月中旬にはau PAYでの支払いで還元ポイントを増量するキャンペーンも予定しているという。
フードデリバリーは、国内外で数多くのプレーヤーが参加しているが、パートナーにmenuを選んだ理由として多田氏は、「2020年にauスマートパスプレミアムでUber Eatsのクーポンを出したところ、大変好評だった。ただし、IDを連携してマーケティング施策をやるとなると、Uberの本国での対応が必要になる。ここまでの深い取り組みができる日本のベンチャーはmenuしかない」と述べた。
一方で、menu側としても勝負をかけるタイミングであり、資金需要の面からも両社ともにWIN-WINの関係にあったとしている。
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