コロナ禍が浮き彫りにしたアクセシビリティーの重要性--生きやすい社会にするには - (page 4)

Abrar Al-Heeti (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年06月03日 07時30分
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 Lauridsen氏は、パンデミックが終わっても在宅勤務やビデオ会議は存続してほしいと考えている。そうすれば、身体障害者にとっても条件が公平化されるからだ。2020年9月に、Zoomは手話通訳者の画面を話者の画面の隣に固定できる機能を追加した。Zoomアプリのアクセシビリティー機能を利用したものだ。

 物理的なスペースでの移動については、新型コロナウイルス感染症に伴うルールに関して、デジタルでのコミュニケーションがもっと充実することをLauridsen氏は望んでいる。つまり、店舗における変更点、例えば入り口が裏に移動したなどの情報を「Googleマップ」やYelpに追加してもらいたいということだ。現在、そうした情報の多くは壁や床の掲示物で共有されているが、その形では利用できない人もいる。

早期の教育と実装

 仮想的に人とつながってさまざまなサービスを使えるような手段が足りないと話すのは、ソフトウェアエンジニアとしてアクセシビリティーに注力しているMeenakshi Das氏だ。「そうした手段は、あらゆる人にとってアクセス可能でなければならない」

 Das氏はその一例として、パンデミックの間に人気が急上昇した音声チャットルームアプリ「Clubhouse」を挙げている。スマートフォンから音声で参加できるというのは、視覚障害があるユーザーにも開かれた機能だ。だがClubhouseは、Appleの画面読み上げ機能である「VoiceOver」に完全には対応していない、とDas氏は指摘する。Clubhouseや、競合関係にあるTwitterの「スペース」は、聴覚障害者の参加を妨げているおそれもある。

 今も続いているこうした問題に対処し、誰も置き去りにしないコロナ後の世界を実現するために特に重要なことがある。それは、エンジェル投資家やスタートアップファンド提供者が、開発されている製品やサービスを理解すること、そしてアクセシビリティーを欠く場合には資金を提供しないことだ、とAsuncionさんは話す。スタートアップの製品は短期間で開発、リリースされる傾向が強いので、スタートアップコミュニティーに対してアクセシビリティーの必要性を教育することが不可欠だという。

 エンジニアリング系の学校や講座でも、カリキュラムにアクセシビリティー教育を織り込む責任がある、とAsuncionさん。そうすれば学生は、あらゆる人が利用できる製品やプラットフォームを作るうえで必要な知識を持って社会に出ていくことになる。テクノロジー業界のパートナー、大学の教員、障害者支援組織による共同の取り組み「Teach Access」は、その手段を促進し実現することに努めている。

 Asuncionさんと、GAADの共同創設者であるJoe Devonさんは5月20日、GAAD Foundationという新しい組織も立ち上げた。テクノロジーおよびデジタル製品の開発においてアクセシビリティーを中核的な必須要件にすることを目的とする非営利団体だ。「GAAD Exchange」など、一連の取り組みを通じてその実現を目指す。GAAD Exchangeは、プロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナーが障害者とつながれるプラットフォームであり、障害者がどのようにテクノロジーを活用しているのかについて協議し、その情報を独自のプロセスに取り入れられるようにする。

 前途には困難もあるが、企業がデジタルアクセスの一般化に打ち込めば、いかに多くを達成できるかが、今回のパンデミックによって明らかになった、とAsuncionさんは前向きだ。

 「障害者のコミュニティーが従来のあり方に甘んじることはないと確信している。私たちは、どんなことが可能か知っているからだ」(Asuncionさん)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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