なお、会見にはパナソニック 代表取締役社長の津賀一宏氏も出席した。津賀氏は、2021年3月末でCEOを退任しており、今回が、津賀氏自らがCEOとして率いた最後の決算。また、2021年6月には会長に就任するため、今回が社長としては最後の決算会見となった。
津賀社長は、2020年度決算を振り返り、「新型コロナアウイルスの感染が拡大するなかで、どういう形で活動ができ、どういう数字になるのかは予想できなかったのが正直なところである。そのなかで、できることはなにか、ということについて知恵を出し合った。第2四半期から利益が戻り、第3四半期では従来では出せなかった利益率を出すことができた。だが、中期的に経営していくという立場で見れば、固定費の削減だけでは先にはつながらない。厳しいなかでもじっくりとした経営をやろうと考えてがんばった結果が、今回の着地になった」と総括したほか、「2021年度は、まだ定常ではない。上期の様子を見ながら、必要があれば、迅速に対応をとっていくことになる」とした。
また、社長在任期間中の9年間を振り返り、「なにをやらなくてはいけないか、ということが最初からわかっていたわけではなく、みんなで走りながら対応をしてきた。振り返れば、競争環境の変化によって事業が痛み、社会の変化が、我々に求められることの変化につながった。社会と呼吸をしながら、自分たちが、社会に対して、どんなお役立ちを実現できるのかが、経営であることを感じている。パナソニックは、日本を中心とした家電事業が中核であり、さらにその中心にはテレビがあった。これを、くらし密着を強化しながら、白物家電へと軸足を移し、地に足をつけたグローバル経営を目指した。手探りで取り組んできた9年間であり、それをやってきた結果がいまである。『できた』というのが私の印象である。だが、次のCEOには、『できなかったことが山積みである』というスタンスで、スタートしてもらい、改善に継ぐ、改善をしてほしい」と語った。
また、「社長に就任以来、長期的に厳しいままの事業に対しては、先手先手で手を打ってきたが、この2年間は、残った赤字事業に対する構造改革を実施してきた。事業は簡単に改革や終息、売却ができるわけではない。顧客との合意を得ながら、また、さまざまなステークホルダーと合意を得ながらも前に進めていくことが大切である。半導体、液晶パネル、ソーラー、テレビという4つの構造的赤字事業の改革をきっちりとやったことで、次の前向きな活動につなげていくことになればいい。それを期待している」と述べた。
パナソニックでは、5月27日に、楠見雄規CEOによる説明会を行う予定だ。
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