中古住宅のリノベーション事業などを手掛けるWAKUWAKUは、中古住宅とリノベーションのプラットフォーム「リノベ不動産」のバージョンアップを発表した。ロゴを一新したほか、カスタマーサクセス体制などを強化する。
WAKUWAKUは、戸建てのデベロッパーや新築マンションの分譲開発などを手掛けてきた、代表取締役の鎌田友和氏が率いる不動産テック企業。リノベ不動産のほか、自宅リフォーム・リノベサービスなどを提供するECサイト「HAGS-ハグス-」や業界特化型マーケティングオートメーションの開発など、不動産と建築の2つの領域で事業を展開している。
WAKUWAKU 代表取締役の鎌田友和氏は「家は多くの人が35年という長期ローンを組んで購入する大きな買い物。にもかかわらず、業界都合のサービスが常識になっており、これが非常識であることすらも気づかない状態になっている。私たちは不動産、建築領域で、お客様をワクワクさせ、幸福度を高めるサービスを展開していきたい」と事業の背景を話した。
リノベ不動産は、不動産会社、設計会社、施工会社、インテリアと中古住宅をリノベーションして購入する際に必要となる複雑な購入フローを、一本化したサービス。不動産と建築を融合させることで、仲介手数料と建築請負という2つのビジネスモデルを確立でき、仲介手数料に依存している不動産事業者の収益構造からの脱却も可能だ。
リノベ不動産では直営店で実証したこのビジネスモデルを、ブランドパートナーと位置づける各地域の不動産会社やリフォーム会社、工務店などに展開するB2B2Cモデルも展開。集客や営業ノウハウ、設計デザインといった部分までをサポートすることで、大都市圏だけでなく、地方にもリノベーションされた中古住宅の販売を拡大していく方針だ。
「リノベーション費用まで含めても新築より安く家を購入できる。リノベーションを前提とした物件探しをすることで、暮らし方に合わせた間取りやプランニングができるほか、中古住宅は供給量もあり、新築物件を選ぶよりも選択肢が格段に広がる」と鎌田氏はメリットを挙げる。
こうした取り組みから、中古住宅+リノベーションは注目されており、リノベ不動産のユニークユーザーはコロナ前の16万からコロナ後は48万へと急増。流通取引額も1年前の200億円から直近で461億円へと成長を遂げているという。
バージョンアップでは、こうした追い風を受け「暮らしの民主化にブーストをかける」(鎌田氏)ことを目的に実施。「日本の住まいを愉快にする宣言であり覚悟。それを明確化するために変えた」というロゴデザインは、4つのモチーフ組み合わせ、新しい選択肢と可能性を模索して変わり続けるブランドの姿勢をイメージしたという。
内容面では、専門性の高い専属カスタマーサクセスチームを作り、マーケティングから人材採用まで含めサポートする体制を構築。あわせて、ウェブメディアを運営している強みをいかし、ユーザーをブランドパートナーに送客するなど、集客も支援する。
さらに、動画教育コンテンツ「リノベ不動産アカデミア」を用意し、各地域の不動産会社の社員教育もサポート。「リノベーション業務に特化したeラーニングシステムとして提供しているが、すでに視聴回数は5000回をこえている」と実績も出ているという。
「不動産業務の現場でなかなか使いこなせるツールになっておらず、普及していないのが現実」(鎌田氏)とされるマーケティングオートメーションツールについては、「リノベ不動産cloud」として展開することで、生産性の向上を支援する。
鎌田氏は「ブランドパートナーの業界に特化したリアルなオペレーションとテクノロジーを活用したサービスを順次展開していく。徹底的な顧客ファーストと事業者が持つ課題を解消していくことで、2030年には流通取引額1兆円を目指す」とした。
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