もともと仮想通貨のパロディーとして考案された「ドージコイン(DogeCoin)」は、3月時点の1通貨単位(1DOGE)の価格が5セントだったが、米国時間4月16日午前に急騰して過去最高の44セントに達した。価格はその後やや下落して33セント前後で取引されている。ジョークとして始まり、「ミームコイン」(ネット上でネタにされる通貨)に分類されるドージコインの時価総額は現在、430億ドル(約4兆7000億円)超となっている。
多数のコイン購入者、大勢のオンライン投稿者、そして1月に世界一の資産家と報じられたElon Musk氏も関わる半ば皮肉な運動が、頂点に達した格好だ。Redditのコミュニティー「WallStreetBets」が結託し、ゲーム小売企業GameStopの株価を1000ドルにまでつり上げようとした(目標には達していないが、52週間の最安値3.77ドルから急騰して483ドルになった)のと同様に、仮想通貨コミュニティーは、ドージコインの価格を10セントに「到達させる」というアイデアに魅了された。現在は、その目標額を超え、はるかに高くなっている。
1月初旬には、1DOGEの価格は1セントを下回っていた。GameStopとドージコインをめぐる運動が本格的になった1月下旬には、7.5セントまで急騰してから2.5セントまで下がった。それから3カ月弱の間、3セントから7セントの範囲で取引されていた。そして4月11日、価格が約6セントから上昇し始め、10セントの大台を突破した。
10セントから25セント超への急騰は、ドージコインの最も有名な支持者であるMusk氏が、15日にツイートで支持を表明したことが原因の可能性もある。同氏はスペインの画家ジョアン・ミロの「月に吠える犬(Dog Barking at the Moon)」の画像を添え、これをもじって「Doge Barking at the Moon」とツイートした。
Doge Barking at the Moonpic.twitter.com/QFB81D7zOL
— Elon Musk (@elonmusk) April 15, 2021
急騰の理由としてもう一つ考えられるのは、人気の投資アプリ「Robinhood」の障害だ。ドージコインの売買を含む注文が長い間「保留」の状態になっていることにユーザーらが気づき、その一部は、GameStop株が急騰した際にRobinhoodが取引を一時停止して物議を醸した騒動の再現と考えた。Robinhoodは15日、注文に関する問題は解決したとツイートした。
We know some customers may have seen executed crypto orders display as “pending” for an extended period of time. We were experiencing a delay in order status updates—this is now resolved. Check your app for up-to-date information about any recent orders.
— Robinhood Help (@AskRobinhood) April 15, 2021
仮想通貨別の時価総額では、ビットコインとイーサリアムがそれぞれ1位と2位だが、それ以外の仮想通貨をまとめて「アルトコイン(代替コイン)」(場合によっては「シットコイン」)と呼ぶこともある。それとは別に、ミームコインという区分もあり、ネットユーザーらがネタ的に面白がることにより人気と価格が上下する通貨を指す。
2013年に誕生したドージコインは、そんなミームコインの第1号だった。やはりミームコインに含まれる新顔で、シンプルに「ミーム(Meme)」と名付けられた仮想通貨は、2020年8月に1ドルでスタートし、現在は2000ドル超で取引されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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