Luupは4月15日、電動キックボードのシェアリングサービスを4月下旬に開始すると発表した。経済産業省の「新事業特例制度」を利用し、4月下旬に実証計画の認可を受ける見込み。実証実験という形でサービスをスタートする。
同社は、すでに電動アシスト自転車のシェア事業「LUUP」を提供しており、これに電動キックボードを導入する。実証期間特別価格として、自転車と同じ初乗り100円(10分)でスタート。以降、1分ごとに15円が加算されていく。利用開始時には、免許証の登録とテスト受講が必要になるものの、それ以降は自転車と同様に利用できるとしている。
サービスエリアは、すでに展開している渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区を予定。ただし、国道15号線、20号線、246号線、466号線は、車両が著しく多いことから走行禁止路線となる。現存する300ポートのうち、約200ポートで電動キックボードを配備(最初は100台から、順次増加予定)。大阪もキタ・ミナミの2エリアで80ポートから開始する。
キックボードは、これまでの実証実験で使用したものからアップグレード。頑丈なボディ構造で耐久性を向上させたほか、サスペンションの性能向上で段差による衝撃を緩和。モーターもより強力なものを採用し、坂道でのトルクを増している。また、タイヤは8インチから10インチに、スマートフォンホルダーも装備することで、スマートフォンを眺めながらの片手運転を抑止するという。
速度は最高15km/h、航続距離は45kmほどで、フル充電までの時間は4.5時間。重量は25kgで折りたたみは不可の構造になっている。背面にナンバープレートを装着する。乗り方としては、地面を蹴って初速をつけて、両足を置いたのち、ゆっくりとアクセルを押すと加速する。
歩道の走行は禁止されており、自転車レーン(普通自転車専用通行帯)がある場合はレーン上を走行する。また、自転車道のほか、一方通行の場合でも自転車が通れる車道であれば走行可能だ。道路交通法上、原動機付自転車(原付)ではなく小型特殊自動車扱い(機体の要件は原付として規定)となるため、ヘルメットの装着は任意となり、二段階右折も禁止だ。
今回の実証実験では、自転車道やヘルメット任意という新しい条件で安全性を検証するほか、シェアリングサービスでのキックボードのニーズを確認する。さらに、電動キックボードの違法走行(ナンバーやヘルメットなし、歩道走行など)や、法律を遵守していない電動キックボードが蔓延していることに対し、正しいルールの訴求を行うという。
同社は、2019年6月から私有地での実証実験を開始。同年10月に擬似公道、2020年10月からは原付として公道での実証実験をスタートしており、今回の実験から小型特殊車両として運用を開始する。Luupでは今後、2023年までに短距離移動インフラを全国展開するほか、高齢者向け電動モビリティサービスの導入を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス