IBMは米国時間3月30日、非営利の学術医療センターである米クリーブランドクリニックと10年間の提携を結び、量子コンピューティングと人工知能(AI)を応用してヘルスケアとライフサイエンスを研究する「Discovery Accelerator」センターを設立すると発表した。
IBMは提携の一環として、オハイオ州クリーブランドにある同クリニックの敷地内に、米国の民間部門向けで同社初となる量子コンピューター「IBM Quantum System One」を設置する計画だ。
クリーブランドクリニックの最高経営責任者(CEO)を務めるTom Mihaljevic博士によると、量子コンピューターは「医療を変革する」のに役立つという。同氏は発表の中で、「こうした新たなコンピューティング技術は、ライフサイエンス分野における発見を大きく進化させるのに役立つ」と述べた。
計画している研究分野には、ゲノム科学、化学薬品と医薬品の開発、単細胞トランスクリプトミクス(遺伝子発現解析の一種)、集団健康管理、臨床応用などがある。研究者らはまた、プライバシーを保護しながらビッグデータを活用し、新型コロナウイルス感染症など世界的な医療危機への対応と患者の治療を向上させることを目指す。
IBMはさらに、2023年の発表を予定している1000量子ビット超の次世代量子コンピューターについても、同クリニックの敷地内に設置する計画だ。
IBMは2月、量子コンピューティングソフトウェアの改良を発表し、2021年に実行速度が100倍になるとの見通しを明らかにしていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」